月光と皇帝『この世界で』【野坂悠馬】 (ページ17)

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始まりと暗い道へのカウントダウンページ17

チームが決まったあと馬車に乗り戦いの場へと向かう。
その道中、セイヤとこんな話をした。

「いよいよだね…緊張するかい？『ニシカゲ』」

「！？、いえ俺は何があってもあなたについて行くと決めたので……それより今俺のこと『ニシカゲ』といいましたか?」

「？あぁ、なんかそっちの方が呼びやすいなって……嫌だったかい？」

「いえ……そういう意味では……」

「なら良いよね」

そう言って馬車から降りると『王帝月ノ宮国』の城が見えた。
正面から行くと多分捕まる。なので、ある方法を考えた。

「これでよしっと……」

その方法とは、一話の鳥に手紙をくくりつけて王帝月ノ宮国の城まで飛ばすと言うもの。ただの鳥だと別のところに行ってしまうので、自分の魔力で作った鳥を飛ばす。
そして、城の電気が消えたら計画実行の合図だ。

「僕達はキドウさんグループが行ってから行くよアスト君には地下に行くよう伝えてある」

「あそこは実験室や拷問室もありますからね………」

その言葉で嫌なことを想像してしまう。

「………何もされてなければいいけど」

「え？何か言いました?」

ふと、我に返り「何でもないよ」と、返事をする。そしてついに戦いの火蓋は切られた。

〜アンナ〜

「ん……？」

ぼんやりする意識の中、ムクリと体を起こす。ここはどこだろう……暗くてジメジメしている
先程まで私は別の国に行っていたはずなのに………

「どうしてこんな所に?………早く出ないと」

そう言って立ち上がろうとしたとき、手足に痛みを感じた。何だろうと見てみると
逃げられないよう重りがぶら下がっている。
それと同時に謎の不快感が襲ってくるため、私はその場に座り込んでしまった。

「どうしたら……」

途方に暮れ震える手を握りしめる。私はこのまま死んでしまうのだろうか?一体私は何をしたというのか?
わけがわからず頬雫が傳う。

「ノサカ…君わたし、貴方との約束……守れないみたい本当……に、ごめんなさい」

涙に暮れている中。突如、急な眠気が私を襲った。バタンと、その場に倒れ込み意識を失いかける。ぼんやりとする意識の中で、私は(ノサカ君)と彼の名を呼び続けた。
そして私の意識はそこで途切れた