月光と皇帝『この世界で』【野坂悠馬】 (ページ13)

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悪魔のパンケーキページ13

しばらくウロウロと歩き回る。だってそれくらいしかやることないから。

「どうする？セイヤ」

「…どうする……とは？」

「ほら、時間余っちゃったし……ムーンカルトがないとどうにもならないでしょ?」

「なるほど……」と、セイヤ。暇だから石でも投げようかな……セイヤに

「俺はノサカさんの行きたい所についていきます」

その言葉につい笑ってしまう。

「君はいつもそうだねまぁいいや」

セイヤがそう言うならあそこに行こう。そう言って向かった先はパンケーキ屋。美味しそうなフルーツが盛られており、端には甘ったるそうなクリームがコレでもかと乗ってある。

「美味しそうだねセイヤ」

「……………」

隣のセイヤは汗がだくだくと流れている。

「どうしたの? ほら食べなよ」

「あ、いえ…」

「遠慮はいらないよ」

そう言って僕は無理やりセイヤの口の中にパンケーキを押し込む。ただのパンケーキじゃない。セイヤのだけは特別

「ヴッ？……の、ノサカさん……コレって…」

「君だけのは特別に激辛トリュレを入れといたよ辛いものを食べると脳が活性化されるからね」

「……なる…ほど」

その後もセイヤはむせながら何とか激辛トリュレ入りパンケーキを平らげた。セイヤに水を手渡し、それを飲んだのを見計らってからまた別の店に入った。
今度は飲食店ではない雑貨屋だ。流石にもう食べれないし、これ以上はセイヤが可愛そうだしね

「今度は雑貨屋……ですか」

「なんか見たくなってね……」

そう言い、月をモチーフにしたネックレスを一つ手に取る。

「ノサカさん？そんなものどうするんですか?」

「……ナイショ」

そう言って会計の場所へと足を動かす。確かに…セイヤに言われた通りどうしよう…コレ
渡す人な……あ、彼女なら…アンナさんなら喜んでくれるかな?

「ノサカさんもうそろそろどこかで休む場所を探さなければ…」

「あぁ……そうだね、でも大体予想はついてるから」

「な、何でお前らが」

「今日だけ泊めてもらっても良いですか?……ミズカミヤ・セイリュウさん」

僕達が来た所はミズカミヤ・セイリュウという名の青年の家。ハイザキ君の知り合いだし、優しそうだから。

「……仕方ない。まぁキドウさんから連絡は来ていたから準備はしていたが」

準備はしてたんだ……とりあえず上がらせてもらい今日一日は彼の家で泊まらせてもらうことになった。そして永遠とハイザキ君の話を聞かされる羽目にも……はぁ…