天使との通学電車。４ 〜Yuri.C〜

１２駅目 Ryosuke side ページ12

"俺にしない？"




絶対断られるって、そう覚悟して告白した俺。




彼女には知念がいる。彼女は知念が好きだ。



頷いてくれるはずがない。





そう思っていたのに、小さく頷く彼女。







一途なAちゃんが、こんなにまで不安に押し潰れそうになっている。







いくら知念でも、彼女をここまで追い詰めたのは許せない。





涼介｢俺が忘れさせてあげる｣




｢山田くん｣




涼介｢知念への気持ちも不安も全部、俺が忘れさせてあげるから。




幸せにする、Aを不安にさせたりしない、だから、




俺を見て？｣







傷ついた彼女の心の隙間に、漬け込んでるってわかってた。





だけど、やっぱりどこか知念を羨ましいって思ってた自分がいて、ズルイってわかってるけど、ずっと彼女が欲しかった。







｢山田、くん｣



涼介｢涼介って、呼んでよ、A｣




｢りょ、涼介｣








Aは少し照れながら、小さく俺の名前を呼ぶ。





その瞬間、知念への罪悪感がスッと消えていった気がした。

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