欲張り。2 - Ren.N - (ページ6)

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５６ Ren side ページ6

…

ほんまに無意識やった。

気づいたら自分からキスしとって。

めちゃくちゃ焦ってる。

｢れ、廉？｣

こっちは自分の行動に驚きすぎてプチパニックを起こしとるのに、キスされた本人はめちゃめちゃ平気そうやし、なんなら落ち着いとるし、呼び捨てしてくるし、ほんまなんやねんこいつ！！！

てか、俺はこいつが好きなんか？

だーっ！！わからんっ！！！

｢廉っ！！｣

廉｢っ！！｣

急に大きな声で名前を呼ばれて、焦りまくってごちゃごちゃになった意識がやっと戻ってくる。

それと同時に、目を潤ませたあいつの顔が目に入ってきた。

｢なんでキス、したの？｣

廉｢…っ！｣

どストレートや！！！

…確かに、可愛い、守りたい、傍におりたいって思うんやけど、それが愛しいってことなんかそれはわからん。

俺は好きなやつが出来たこともないし、作ろうと思ったことないから、恋愛ってもんがいまいちわからんまま、今まで生きてきたわけで。

優太に出会うまで、あらゆる人という人を全て遠ざけてたし、俺には必要ないって思っとった。

俺みたいなやつが人を好きになってもええんやろか。

こんな、人間の失敗作の俺が…。