【赤】純情を売りにしています【男主】 (ページ6)

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小「今日も一緒にですか。仲ええですねぇ」

重「こいつが一緒に寝なあかんっつーからさ」

「言った記憶ないんよな〜それが」

小「え、シゲが捏造したってこと？」

「そゆこと」

重「大嘘を吹聴すな」

迎えの車に乗っていた小瀧にまたからかわれる。

小「なーなー、ぶっちゃけどうなん、A」

重「なにが？」

小瀧がAには聞こえないような声で俺にこそこそと話しかけてきた。

小「ずっと遊びっぱなしやん。あのままでええの？」

重「はぁ？知るかそんなん、あいつの勝手やん」

小「そうやなくて。シゲがいいの？って」

重「…」

俺がわかりやすいのか、こいつが敏いのか、俺の気持ちはとっくにバレていたらしい。

よりにもよってなんで小瀧が。と思ったけど、吐き出すには丁度いい相手やった。

重「ええねん。…あいつが俺の近くにおってくれたら、それで」

小「でも、そのままやったらいつか」

重「分かってる、分かってんねん。別にどうしたいとかあるわけやないから。

ただ俺に甘えてくれたら、それでええねん」

小「…そか」

きっとこのあからさまな会話は、彼の耳に届いている。

そんな彼は、知らんぷりを決め込んでいる。
本音を、話すことはない。

そうやって、自分の価値を揺るがなくしているんやから。

頭のいい人やなって思う。

窓から見える朝日が、やけに眩しい。