【赤】純情を売りにしています【男主】 (ページ25)

今日:8 hit、昨日:54 hit、合計:15,350 hit

止まればいいのに。ページ25

「はぁっ、はぁ、ダイキ…！」

重「ちょっ、どした？A、汗だくやん」

早足だったスピードは徐々に早くなっていって、気づけば走っていた。
慣れないことをしたからか、肩で息をするのが精一杯だった。

急いで鍵を開けて入った我が家はいつもとは違うように見える。
…あぁ、なんでやろ。このあとの展開、分かってるからかな。

緊張は特にしてなかった。
いや、してるんかもしれん。走ってきたことで心臓が速く鼓動しているだけだと勘違いしてるだけで。

突き当りのリビングにつながるドアから覗くダイキは何が面白いのか心配しながら笑っている。

重「珍しいなぁ、走って帰ってきたん？

なんや、俺の料理楽しみやったんか」

「おん」

重「はっ、冗談で言ったんにほんまかよ」

拍子抜けしたような表情をするダイキがいやに愛しく思えた。
こんなにも、見える世界が違うだなんて。
もっと早く知っておけばよかったなんて柄にもないことを思う。

「ダイキ」

重「…ん？」

オレが名前を呼ぶと、いつものように振り向いた。

「オレら、付き合お。ダイキのこと好きや。」

重「………は？」