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「なーあ、自分名前、何ていうん？」
重「僕、ですか…？」
「そー、頭ツンツンしてる僕。」
初めてダイキと話したのは、こんなありきたりな会話やったと思う。
俺はダイキの2個上で、入所も2、3年早かったから当たり前に先輩やった。
初めてのステージだったのか、顔が強張るダイキの緊張を解いてあげようと、話しかけたのが最初だった。
重「しげおか、です」
「重岡くん！ってちゃうちゃう、下の名前も聞かせてーや」
重「大毅です！」
「ダイキね！覚えた！あんなーダイキ。オレ久々やから緊張してんねん。なんか緊張和らげる方法知らん？」
重「えっ、うーんと、大きい声を出すとかですか？」
「えーどんなん？やってみて！オレ分からへん」
重「えぇ…？」
変な先輩やと思われたやろうな。
でもダイキは困りながらも笑ってくれていたし、多分結果オーライやと思う。
重「深見くんも十分出せてるやないですか！！」
「えぇー？気のせいちゃーう？
てかその深見くんて遠い！せめてAくんにして」
重「ええんですか？」
「もち！ダイキはオレの大事な後輩になる予定やもん！」
重「ほなら大事にしてください！」
そんな馬鹿正直に言うものだから、吹き出してしまった。
なんて素直で可愛らしい子が関西Jr.にいたもんだと思った。
「稼ぐようなったら、いっぱいご飯連れてったるからなぁ、今度うち来る？」
重「いいんですか！！」
「ええよええよ、ダイキの家てどこ？」
今となっては、あの輝かしすぎる過去には戻ることなんてできないし、もう戻りたいとさえ思わない。
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作者名：ひるた | 作成日時：2023年7月2日 0時
