【赤】純情を売りにしています【男主】 (ページ21)

今日:7 hit、昨日:15 hit、合計:15,295 hit

・ページ21

あれからAは何事もなかったかのように俺に接してきた。
それがちょっとうざったいというか、なにも気にしてませんよ〜、っていう雰囲気が俺よりも一枚上手な気がして、つい変なことを聞いてしまった。

俺らしくねぇ。

重「Aって人の話を聞いてるようで聞いてないようで聞いてるよな」

「えっ、それはオレのこと貶してる？？」

重「いやいや、なんつーかさ、誤解されやすいやん、お前」

「まあ確かに…何も考えてなさそうだねとは言われるなぁ」

Aはいつもぽやーんとしている。
心ここに在らず、みたいな。右から左、みたいな。

俺とかメンバーと話す時はそんな様子はあんまりないんやけど、それでもたまにぼーっとしているように見える時がある。

でも本人的には、頭には入ってて、しっかりと考えることはしているらしいから、聞いてないフリを無意識にしてしまうんや。

多分それが、本人なりのストレスを貯めない方法なんやと俺は勝手に推測してる。
やってたまに悲しそうな顔すんねん、コイツ。

「それが表(ステージ)ではキャラとして成立してるから、全然いい個性かなーって思ってる。

対人関係ではちょっと苦労するけど。
話聞いてんの？とか言われると返答に困るね。

でもまー、オレにはダイキがいればそれでいいかな」

重「…ハイハイそーですか」

ったくもう…

こういうことを平気で行ってしまうあたり、俺に好意は無いんやなと痛感するから、痛いし痒いし、あったかい。