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なんであんな人を好きになってしまったんやろ、って時々思う。
絶対間違えてるやん。
絶対好きになるべき人はAやないやん。
性別うんぬんやなくて、あの人の性格的に。
芸能界になんてべっぴんさんしかおらへんのやから、普通そっち行くはずやのに。
なぜだかAに惚れ込んでしまった。
「ダイキ〜！」
重「Aくん！お疲れさまです！」
まだデビュー前で、グループも違くて、なんなら俺がアイツのことをくん付けで呼んでいた頃。
そして今よりもすこし距離があった頃。
「オレさ〜、今日財布忘れちゃってん、飲みもん欲しいから小銭貸してくれん？」
重「マジすか？笑」
こんな先輩マジダサいよなぁ、と付け足してお願いされたことを今でも覚えている。
なんで俺やったのか。
淳太も�陲舛磴鵑眈隼砲盒瓩�におったはずやのに。
なぜ、俺にお願いしたのか。
「おおきに！やっぱダイキのこと好きやわ〜」
やっぱりこの頃からルーズな雰囲気があって、でも舞台の上では誰よりもキラキラしてて。
ただの憧れに近かったのに。
「やばい見て、オレのがま口ポッケに入ってたんやけど！笑
申し訳ないからダイキにもジュース買ってきた！飲みや」
重「え、」
有無も言わさず、俺に冷たいサイダーを渡してくれたAがどうにも眩しくて。
その不器用さが、嬉しくて嬉しくて。
重「いいんですか…？」
「おん、たまには先輩らしいこともせなあかんし。
…ダイキとも、もっと仲良うなりたいし？」
うわ！今の恥ず！と照れながら麦茶を飲み干すAがやけに愛おしくて。
あれから今まで、あの人の横顔を眺め続けている。
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作者名：ひるた | 作成日時：2023年7月2日 0時
