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「ここの人なん？」
「うん、そうだよ。生まれたときからずっと。
この街から出たことないの。」
落ち込んだような表情をして、口を尖らせた。
なるほど、だから余所者の俺に興味があるんや。
「いいな。オーサカ、行ってみたい」
「別になんも変らんよ。こっちのほうがええとこやと思う」
「都会の人には分からないんだよ、都会の良さが」
からかうような顔をして、俺を見つめた。
「おにーさん、名前、なんていうの？」
「俺？淳太。そっちは？」
「A。高校生？ってやつ」
「ほんま？俺高2」
「俺もだよ、同い年だね」
驚いた。
背丈も、言動も、幼いように感じたから、てっきり年下かと思っていたが、まさかの同い年だったようだ。
そう思うと、急に親近感が湧く。
「Aはなんでここおるん？」
「夜の海が好きなんだよね。昼は来れないし」
「なんで昼は来れへんの？」
「ん〜、親が厳しいから？」
「親が厳しかったら夜のほうが来れへんやろ」
「まあ、親に内緒で来てるんだけどね」
「なんやねん」
親に言わずに、抜け出してきてるってことは、ほんまにこの海が好きなんやろう。
日が出ているうちも海に来れないなんて、どんなに厳しい家庭なんや。
「淳太はいつまでここにいるの？」
「夏休み終わるまで。夏休みの間はずっとおるで」
「ほんと？じゃあ、その間俺と遊ぼうよ」
「ええで。街案内してや」
「もちろん。
あ、でも…もしかしたら、夜だけしか無理かも」
あー、親か。
高校生とはいえ、夜だけしか遊べないなんて変な話やな。
夏なんやし、太陽が登っている時間帯に遊ぶものやないんかな？
この街は違うルールなんかもしらん。
「全然ええよ。
ばあちゃんに言われて海来たんやけどさ、めっちゃきれいやな。」
「そうでしょ。俺もここ気に入ってる。
そうだ、淳太も泳ごうよ、せっかく海に来たんだし」
「えぇ…今？」
「ほら早く、行こう」
Aの華奢な白い腕に引っ張られ、浜辺に連れられていく。
後ろからでも無邪気な笑顔が鮮明に見えた。
「A泳ぎ得意なん？」
砂に足を取られながら、Aに訊いた。
「えー？ぜんっぜん。
速く泳げないけど、長くいることはできるよ」
なんやそれ。
初めて聞いたわ、そんなん。
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ひるた(プロフ) - 暑苦しくて愛おしい夏が始まりますね〜🌻 (6月18日 11時) (
レス) id: d618c40589 (このIDを非表示/違反報告)
にこち(プロフ) - 今年も夏始まりますね🔅 (6月18日 2時) (レス) @page45 id: 7ce575ffce (このIDを非表示/違反報告)
ひるた(プロフ) - にこちさん» にこちさん…！毎度ありがとうございます😭心に残る作品になりますよう、善処いたします！ (2023年3月20日 0時) (レス) @page13 id: d618c40589 (このIDを非表示/違反報告)
にこち(プロフ) - 新作おめでとうございます！！どんなお話になるのか、作品を見かけた時からワクワクしてます！ (2023年3月19日 21時) (レス) id: 7ce575ffce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひるた | 作成日時：2023年3月12日 22時
