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「それすごいやん！流石は海の力やな」
「ほんまに。海に関わる仕事したいなって思えたし」
「えっ、淳太くん、海洋科来る感じ？」
目を点にして顔を思いっきりこちらに向けたので、慌てて訂正する。
「ちゃうちゃう、照史みたいに潜ったりはせえへんよ。近くで支えたいなって思うねん。
色々種類はあるけど、俺が一番しっくりくる職業を選ぼうと思ってる」
「なるほどなー。てことは大学受けるんか」
「そうなりそうやな。勉強もしっかりせなあかんし、遊んでばっかりはいられへんよ」
「せやけどたまには休みも必要よ」
「照史は遊びすぎやねん。次のテストからは面倒見ぃひんよ、俺も海の勉強せなあかんのやから」
「えっ、頼むわ、海洋忙しいねんて」
「それもひとつの勉強やろ〜？」
「せやけどさ〜」
俺の答えに不貞腐れた照史をよそ目に、目の前の海を見て物思いに耽る。
海のことだけやない。
みなしごの子たちのことだって、これまで以上に学ばなければならないと思う。
これ以上Aのような思いをする子どもを増やさないために。
海の存在は、俺たち人類にはなくてはならないけれど、それはときに脅威になり、人を襲い飲み込む。
クジラブカ様のように。
それに真正面から対抗することは不可能。
だけれど、対策は考えればいくらでもある。
あの街を、皆が愛したあの街を、Aを、俺は守りたい。
少し気を抜いてしまえば街の名前すら忘れてしまいそうな儚い存在だった。
夢のような心地だった。
たった一ヶ月の、ほんの一ヶ月の。
人生の中のたった一コマに、数え切れないほどの感動が詰まっている。
「それを忘れろって無理があるわな」
「ん？どした淳太くん」
「んーん、なんでもない」
忘れることはない。
あの街も、じいちゃんもばあちゃんも、Aも。
すべて思い出をしまう箱に入れずに、未来への切符になるように。
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ひるた(プロフ) - 暑苦しくて愛おしい夏が始まりますね〜🌻 (6月18日 11時) (
レス) id: d618c40589 (このIDを非表示/違反報告)
にこち(プロフ) - 今年も夏始まりますね🔅 (6月18日 2時) (レス) @page45 id: 7ce575ffce (このIDを非表示/違反報告)
ひるた(プロフ) - にこちさん» にこちさん…！毎度ありがとうございます😭心に残る作品になりますよう、善処いたします！ (2023年3月20日 0時) (レス) @page13 id: d618c40589 (このIDを非表示/違反報告)
にこち(プロフ) - 新作おめでとうございます！！どんなお話になるのか、作品を見かけた時からワクワクしてます！ (2023年3月19日 21時) (レス) id: 7ce575ffce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひるた | 作成日時：2023年3月12日 22時
