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そうめんをなんとかじいちゃんと二人で食べきったあと、自分の部屋となる所で荷物を解き、やっと区切りがついて、布団で寝転がった。
この少し埃臭いのも、ベットではないふかふかな布団も、大きな段差も、全てが真新しかった。
都会だと息苦しくてできない深呼吸も、ここでならいくらでもできる。
生きている、って感じがする。
ここに着いてまだ数時間しか経っていないが、すでに俺はこの土地の虜になっていた。
目に入るものが、すべて新鮮だもの。
知らない世界に迷い込んだみたいに、わくわくする。
体を起こして、錆びれた窓をこじ開けた。
「風むっちゃ気持ちええ〜」
海が近いから、頻繁に風が入るのだろう。
微かに磯の香りが鼻をかすめる。生命を感じる、勇ましい匂い。
「風、気持ちいいでしょ。空気が溜まったときは開けるといいよ。」
「あ、ばあちゃん」
声に驚いて後ろを振り向くと、ばあちゃんが立っていた。
「何回もごめんねぇ、しつこくて。
せっかく来たんだから、気が向いたらこの辺を探検してみるといいよ。
夜でも明るいし動物も出ないから、犯罪に巻き込まれない程度に遊びに行っちゃいな。
ああ、でも連絡は入れてね。
夜の海なんて、もう〜腰抜かすほど綺麗なんやから。」
と言って、ばあちゃんは満足気に部屋を去っていった。
夜に海へ出かけるなんて考えられないことだが、この地域は犯罪も少なく、危険性の高い動物も少ないんやろう。
明るい時間帯が増えてきたし。
縛られることが少ないこの地域の子どもたちを羨ましく思った。
窓の外から見える、広い広い大海原。
この距離でも、昼間でもこんなに綺麗だというのに、夜はどんな表情を見せてくれるのかと思うと、夜になるのが待ち遠しくなる。
そうは言っても、今はまだ十四時すぎ。
日没までは、たっぷり時間がある。
なら、心地よいそよかぜに吹かれて昼寝をするのも一つの手やと、布団になだれ込む。
「寝ても怒られへんから、ちょっと寝てまおう…」
机の上に置いた勉強道具になんて目もくれず、落ちてくるまぶたに抵抗することなく夢の世界に身を委ねた。
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ひるた(プロフ) - 暑苦しくて愛おしい夏が始まりますね〜🌻 (6月18日 11時) (
レス) id: d618c40589 (このIDを非表示/違反報告)
にこち(プロフ) - 今年も夏始まりますね🔅 (6月18日 2時) (レス) @page45 id: 7ce575ffce (このIDを非表示/違反報告)
ひるた(プロフ) - にこちさん» にこちさん…！毎度ありがとうございます😭心に残る作品になりますよう、善処いたします！ (2023年3月20日 0時) (レス) @page13 id: d618c40589 (このIDを非表示/違反報告)
にこち(プロフ) - 新作おめでとうございます！！どんなお話になるのか、作品を見かけた時からワクワクしてます！ (2023年3月19日 21時) (レス) id: 7ce575ffce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひるた | 作成日時：2023年3月12日 22時
