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Aは怪訝そうな顔をしてこちらを見る。
「ミッションって、俺に隠して面白そうなことしてたのー？ずるー！」
「ええやろ？」
神ちゃんに報告するのを忘れていたなんて今更言えへんわ。
ひとりバツが悪そうに笑顔をこぼした。
「神ちゃんの言ってた淳太くんてこの人ー？」
神ちゃんの隣にいた短髪の爽やかな少年が俺を指差す。
「そう。いっこ年上やで。あと指差したらあかんよ」
「あ、すみません。いつも神ちゃんからお話聞いてますー、重岡です」
「そうなんですね。中間です」
神ちゃんは重岡くんと祭りに来てたんやろか？
なら、あんまり長居すると邪魔になってしまうなと思い、またねとだけ言って別れた。
その後もぶらぶらしていた流星に会い、
「おっ、やっとるやん。淳太、ええやろあの甚平。俺選んだんやでー。
こないだお菓子貰ったからそれのお返し」
なんて軽く言われた。
高校生のガキから貰ったお菓子をこんな形で返すなんて粋な大人がいるんだな…。
つぎ流星に会うときはもっといいお菓子あげなあかんな。
「俺の知ってる人と淳太が仲良くなってるの、新鮮で嬉しいなー。
でもなんかこう、変な感じする」
「変な感じ？」
「俺だけが知ってる淳太がみんなに知られていくんが、なんか嫌やなーって」
屋台を流し見しているときにそんな事を言うものだから、俺の心臓は急に動きを速めた。
文字通り心臓に悪すぎる。
無意識なのか、わざとなのか少し訛らせて言っているのが破壊力をさらに大きくしている。
その感情に俺が名前を付けててもええんやで？
なんて気障なことは言えず、痛みさえ感じる心臓を押さえて回りくどいことを言ってみる。
「俺も俺だけが知ってるAを知られるのは嫌やなーって思うわ」
「一緒じゃん、不思議だね」
「…ほんまやなぁ」
俺の気も知らないで、Aは道行く屋台を目で追っている。
ほんま、汗かいてきたし。急にそんなこと言うなや…
祭り自体がふわふわと浮ついた気分になるというのに、Aのせいで雲の上にいるような心地だ。
こころなしか提灯の色もぼやけて執拗に目に焼き付いてくる。
頭はAのことでいっぱい。
これまでもそうだったはずなのに、今まで以上にこびりついて離れない。
この瞬間は屋台もたこ焼きもりんご飴もどうでも良くなった。
隣で心から楽しそうに笑っているAしか考えられなかった。
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ひるた(プロフ) - 暑苦しくて愛おしい夏が始まりますね〜🌻 (6月18日 11時) (
レス) id: d618c40589 (このIDを非表示/違反報告)
にこち(プロフ) - 今年も夏始まりますね🔅 (6月18日 2時) (レス) @page45 id: 7ce575ffce (このIDを非表示/違反報告)
ひるた(プロフ) - にこちさん» にこちさん…！毎度ありがとうございます😭心に残る作品になりますよう、善処いたします！ (2023年3月20日 0時) (レス) @page13 id: d618c40589 (このIDを非表示/違反報告)
にこち(プロフ) - 新作おめでとうございます！！どんなお話になるのか、作品を見かけた時からワクワクしてます！ (2023年3月19日 21時) (レス) id: 7ce575ffce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひるた | 作成日時：2023年3月12日 22時
