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馬鹿な、と頭上を見上げると、5m程の高さの天井からぶら下がっている、黒いマントに身を包み、赤い長い髪を垂らした女が、手のひらに何かを乗せてこちらを見下ろしていた。
「……そんな、馬鹿な！？」
女の手に乗っていたのは、王冠だった。まだ満ち切っていない月光に反射して、キラキラと輝いている。
『とても綺麗ですね。キラキラと輝いて…神秘的で、美しい。確かに私の求めていた王冠です。
たくさんの警備員さんの中、紛れ込むのは大変楽しゅうございました。今回も、楽しい時間をありがとうございました』
丁寧にお辞儀をして、微笑んだ。
「逃がすな！捕らえろ＿＿＿＿＿＿＿!!」
そこにいた全員が彼女を捕らえようと追いかける。だが彼女は、スカーフベルトで隠れていた腰からワイヤーのような物で、ひゅんひゅんと某調査兵団のように障害物にひっかけ空中移動し、彼らを突き放していく。
あっという間に彼らを突き放した彼女は、換気のために開いた窓から空中に体を放り出す。そこからまたワイヤーで屋根にひっかけ、遠くまで逃げ切る。
すると女はスカーフベルトの中からスマートフォンを取り出した。
『…もしもし、…はい。終了致しました。はい、はい。…ありがとうございます。今からお品物をお届けに参ります。はい、ではまた後ほど…』
通話を切り、別アプリを起動し振り込み額を確認する。先程の電話は彼女を雇う組織から、報酬を振り込んだことの連絡だった。額は100万円、振り込まれていることを確認した。
……女は怪盗だった。指名手配されており、推定懲役は684年である。
真っ黒なマントを翻し、真っ赤な髪を靡かせ、獲物を鮮やかな手口で盗み去る。
途端に、メールが届いたという通知が、スマートフォンを震わせる。
『…？これは…？』
メールを開くと、文面が表示される。
それは、カンサイ警察に忍び込み、本日処刑される殺人鬼を救出せよ、というものだった。報酬は1億イエン。
だがどうやら組織からのものではなさそうだった。
だが、それは彼女の好奇心を嫌にくすぐるものだった。報酬がどうとかではなく、純粋な好奇心。
『…ヒトの赤を好む鬼を盗み出すご依頼ですか。…了解致しました。必ず盗み出して差し上げましょう』
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ミサキ(プロフ) - アクダマドライブ大好きでこの作品があって嬉しいです。医者とか運び屋かっこいいですもんね (2020年12月12日 19時) (
レス) id: 613864a219 (このIDを非表示/違反報告)
リコール以下略(プロフ) - 私も殺人鬼大好きです！更新頑張ってください！ (2020年11月17日 17時) (レス) id: a04e254380 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - アクダマドライブ大好きなので、 小説作ってくれて本当に嬉しいです！主人公の性格も新鮮で好きです！！！私も殺人鬼や運び屋が大好きなので、更新頑張って下さい！！ (2020年11月9日 18時) (レス) id: 455069b8f0 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇおーれ - お仕事早いですね^^*好きです、更新待ってます！！ (2020年10月23日 18時) (レス) id: 5067eaede6 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅 - 私も殺人鬼が大好きです！！更新楽しみにしています！！ (2020年10月21日 21時) (レス) id: 53964121dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グミ | 作成日時：2020年10月18日 17時
