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「…落ち着きやした?」

『…はい、すみません。ありがとうございます』

「そんな改まるな。私らはこれから一緒に暮らすんだ。このくらいして当然でィ」

女性は華のように可憐に微笑んだ。

女性は七々扇薫、と名乗った。

「てめぇは?」

『神楽坂、A』

「かっけえ名前だなぁ!」

薫さんは、ははは、と軽快に笑った。

「よし、A。これからは私らは家族だ。ずっと一緒。絶対私は離れやしねーぜ」

例え、誰かが私らを襲ってこようとな。
私、つえーから。

にこ、と笑う薫さん。

『ありがとうございます、薫さん』

「おうおう。A、お前なんか食いたいもんある?」

『えっと…』

私は、お肉が沢山食べたい。と言ったら、薫さんは「任せなァ!」と頼もしい笑みを浮かべた。

ガツガツ。バクバク。

「…」

『?なんですかそんなに見て?私の顔、何かついてますか?』

「…いや別に。ただ、お前どんだけ食うの?」

『…』

大きなテーブルに乗る無数に積み上げられた皿。
それは全て私が完食した奴。

常人にはこの量は異常だったことを忘れていた。
だってすごい美味しそうだったし。

「…うん、なんて言うかまあ大変だったんだろうな、お前の母親」

『…はい、母も大変だって言ってました』

家族はそんなに食べないけど、私の食事の量は半端じゃないから。これも、夜兎のせいだ。

「お前は腹いっぱいにならないのかィ…?」

『いえ、なることはなりますけど。米一升は食べないと』

「いっ…!?」

『…か、薫さん?薫さん!?』

ブツブツ何か喋りながら薫さんは固まったまましばらく動かなかった。


そんなこんなで数日経ち、私達は平穏に暮らしていた。
そう、何事も無かったかのように。

…何事も無かったかのように振る舞うことなんてできないけど。

ある時、私は屋敷の掃除を任され、薫さんの部屋の思わしき一室で掃除をしていたのだが、そこに、1本の刀があった。

言葉にし難い、何かの衝動に駆られ、私はその刀を手に取る。

ずっしりと重い。

あの頃の記憶が思い起こされる。

鞘を抜いてみると、刃の色は紅色で、どこか梅を思わせた。
刃の根元には、【惡鬼滅殺】の文字が刻まれている。

これは…日本刀?
ごく類似しているが、何か違う。
だが、とても良い刀だということはわかる。

なぜ、薫さんがこんなものを持っているんだろう?薫さんは、侍だったのか?

「…A、そこで何してんでィ」

『!?』

背後で、薫さんの低い声が聞こえた。

伍→←参



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- 早く続きが見たいです!ゆっくりでもいいので更新待ってます! (2022年12月16日 7時) (レス) @page6 id: 2bc0f45ebb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:グミ | 作成日時:2020年1月6日 21時

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