壱 ページ2
冷たい。寒い。
死んでしまうとおもうほど、苦しい。
身体が重い。
…どうして私はこんなに息が切れているんだろう。
あぁ、そうだ。
家族が、大変なんだ。
早く、早く帰らないと。
見慣れた、私の家。
そこは、もう血塗れ。
ソレ特有の、鉄の臭い。
『…母さん、父さん!未弥!!!』
口の中はカラカラで、上手く声を出せない。
この光景、前にも見た事あるような。それも何回も。
なんだ、なんでだ。
どうして、誰が。
そんな短絡的な事しか考えられなくて、頭の中は真っ白で。
力なく項垂れた家族は、もう既に全員息をしていなかった。
『…うわぁぁぁあぁああっ!!!!!!!』
あぁ、知っている。
家族が死んで、こんな風に泣き叫んでいるガキを。
大分昔だったか、ごく最近か。
それはついさっき、思い出した。どうして私がこんな容姿なのか。
…こんな想いをしなければならなかったのか。
前世の記憶を。春雨にいた頃の記憶を。
私はあの時死んで、現在この大正時代に転生してしまっていたようだ。
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凛 - 早く続きが見たいです!ゆっくりでもいいので更新待ってます! (2022年12月16日 7時) (レス) @page6 id: 2bc0f45ebb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:グミ | 作成日時:2020年1月6日 21時