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五条は高専の教師だ。だから、平日は毎日仕事に出なければならない。
その時はいつも、部屋に鍵をかけて家を出るのだが、今日は何故だか、
鍵をかけずに家を出た。
何の間違いだ、どうした、もしかしてドッキリか…?
部屋を出たら、五条が待ち伏せしてて…なんて、そんなことは無いか?
…でも、辺りには人の気配はない。五条もいないし…。
脱出のチャンスかもしれない。
あぁ、これまでになく夢見た展開だ。
正直、五条から逃げ出したくはあった。
五条から離れれば…自分の身の回りは全て自分でやらなければならなくなるが…まあそれが普通だろう。
あいつといると楽だがその分行動範囲も狭まるので不便なのだ。
そろそろ自由になってもいいと思う。
今日は首輪もない、手枷もない。
私は晴れて自由の身、って訳だ。
久しぶりに外に出るんだ、たっくさんおめかしして、美味しいものを食べてやる。こんな暗いところで食べる物なんて全く何も美味くない。
こうなったら、久しぶりにめいっぱい化粧だ。
唇に、薄い紅をつけて、完成。
ほんとに化粧とか久々だから、下手になってないかなとか思ったが、中々らしくなっている。
なんだか耳元が寂しい。ので、前に五条に貰ったイヤリングをつけてみる。
なんだか私らしい、飾らない単純な銀。
「これ、綺麗でしょ。Aにあげる、1回つけてみてよ。
…うん、似合ってる。綺麗」
五条は私にそう笑ってくれた。
ごめん、五条。
ちょっと、出かけるだけだから。
だから、許してくれ。
部屋から出て、廊下を歩いていく。大丈夫、出口までの通路は分かっている。
地下から地上に出て、私は久々に五条の家のリビングを見た。いつ見てもでけえな。
ああそうだ、出口の確認。ここまで来て出れないなんて冗談じゃないからな。
…でかい扉。鍵が閉まっている…が、内側から開けられる。かちゃ、とでっぱりを捻って、解錠音が手に伝わった。
そのまま、ドアノブを押すと、
_______風が吹いた。
髪が靡く。目の前にはどこまでも広がる青空。
出られる、やっと。
私はそのまま駆け出していた。
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グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» 出来ますよ!いえいえこちらこそ何度もリクエストありがとうございますー! (2021年1月8日 15時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - リクエストで、熱が出ちゃったら、ってお願いできますか??何度もすいません! (2021年1月7日 19時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - グミさん» リクエスト、応えてくださってありがとうございます!五条先生のヤンデレ感が加速していて、すごくおもしろかったです(笑)更新頑張ってください! (2021年1月4日 8時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みどりちゃ。(プロフ) - 五条先生がヤンデレってトコが性癖にグサッと刺さって、いつも楽しみです!更新頑張って下さい! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 2c92b3b212 (このIDを非表示/違反報告)
グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» リクエストありがとうございますー!全然できますよ!是非作らせていただきますー! (2021年1月1日 12時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:グミ | 作成日時:2020年12月3日 7時