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「_______おーい、早く起きないとパン冷めるよ?」
そんな悟の声がして、私は目を覚ました。
…が、私は起き上がることなく布団をかけなおした。
え、ときょとんと固まる悟の顔も今は見えない。身体が異様に重くて熱く感じる。
「どしたの?起きろってば」
『…ゔぅ…』
嗄れた声が喉から絞りでて、それに自分でも驚く。でも、話すのも億劫で、そのまま布団の中に潜り込む。
「なに、具合でも悪いの?」
『…』
上から覗き込んでいるだろう悟の言葉に答えることはせず、私はズキズキと痛む頭を抑えた。
「ちょっとごめん」
そう言ったかと思うと、私から無理矢理布団を剥がして、私の腕を引き上体を起こす。
眉近くまでのばした前髪を掻き上げて、大きな掌が私の額に触れた。ひんやりしていて気持ちが良く、私は無意識に目を閉じる。
「…うん、結構熱いね。大丈夫?その様子じゃ大分しんどいでしょ?」
『…だいじょうぶ』
「いや絶対大丈夫じゃないから。
…パンはちょっと消化に悪いかなぁ…食欲ある?」
その問いかけに首を横に振ると悟はあちゃあ、と頭を搔く。
「分かった。まあとりあえず僕適当にお粥作ってくるから寝ててよ。…それよりまず冷えピタ探さなきゃ」
『…おい、本当に私は大丈夫だか、』
「病人は大人しく寝てろっつの。お望みとあらば無理矢理寝かせてもいいけど?」
『…結構だ』
冷徹な笑みを浮かべ、パキリと指を鳴らして脅してくる悟に、私は仕方なく大人しく寝る事にした。悟は元の微笑みに戻してよろしい、と私の頭を撫でた。
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グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» 出来ますよ!いえいえこちらこそ何度もリクエストありがとうございますー! (2021年1月8日 15時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - リクエストで、熱が出ちゃったら、ってお願いできますか??何度もすいません! (2021年1月7日 19時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - グミさん» リクエスト、応えてくださってありがとうございます!五条先生のヤンデレ感が加速していて、すごくおもしろかったです(笑)更新頑張ってください! (2021年1月4日 8時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みどりちゃ。(プロフ) - 五条先生がヤンデレってトコが性癖にグサッと刺さって、いつも楽しみです!更新頑張って下さい! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 2c92b3b212 (このIDを非表示/違反報告)
グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» リクエストありがとうございますー!全然できますよ!是非作らせていただきますー! (2021年1月1日 12時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:グミ | 作成日時:2020年12月3日 7時