二十二時限目 ページ22
これはマズイ。
ナイフを振り上げた先生のこめかみに向かって、手を振り上げる。
こめかみは結構効くぜ。
と思ったその時、パッと手を掴まれた。
「…！」
しまった、気づかれたか！
「こめかみは頭骸骨の中で一番薄く、強打することで脳が揺れ、平こう感覚がなくなる。
しかも、正確にガードできる奴は早々いない。
流石手馴れてるな…地球を救った29人の英雄」
「はっ、バレてら。とりあえず中尾は殺らせないよ。いくら何でも最初に殺られる雑魚にはなりたくないよね、中尾だって。
あと言っとくけど…あそこにいたのは英雄じゃない、ただの殺し屋だよ」
「…ハハ、生憎だが、今お前に構ってる暇は無いんだよなッ！」
「！」
一瞬掴まれた手を離し、そして私の顎に拳を食い込ませた。
「…っ痛ぁ！」
身体を支えきれなくて、後ろにヨロヨロと後ずさり、尻餅をついた。
そして、瞬時に中尾にナイフを突き刺した。
皆、その状況を見たくなくて、顔を背ける。
クラクラする。
「嘘でしょ…蓮…？蓮ッ、蓮‼ねぇ、ねぇってば‼」
腹にナイフが突き刺さり、血を出す中尾に、水越ちゃんは嗚咽をあげながら駆け寄り、何度も中尾の名前を呼ぶ。
「…本当に殺したのかよ‼」
「これで、大人しくして貰えますか？それとも、まだ死人を増やしますか？」
そう言って私を見る。
もしかして、次は私を殺す気…？
「…今日の授業はこれで終わりだ…お疲れ様。
茅野、ノートパソコン持ってこい」
先生は中尾を引きずりつつ教室を出ていった。
茅野ちゃんもノートパソコン持って出て行く。
「…おいA、平気か」
「…ぁ…待ってね。結構頭いてぇわ…あと…クラクラする」
「ちょっと、やばいんじゃないの⁉」
「軽い脳震とうかも、少し休んでおいたほうがいいと思う」
「…蓮は…本当に死んだの…⁉」
「わかんねーよ、んな事！それより今此奴の方が危ないだろ⁉」
「『それより』って何⁉蓮より椎名の方が大事だっていうの⁉
…あ、そっかぁ。甲斐君は椎名の事好きだもんね。ただのクラスメイトより好きな子の方が大事なのは当たり前だよねェ‼」
「…は、はぁ⁉何言ってんだテメェ！聞こえんだろ⁉」
「…椎名…！ちょ、嘘でしょ⁉…起きろってば！」
私の意識は、とうに途切れていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 625人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒葉ri′(プロフ) - さなさん» それなですww (2019年5月3日 1時) (
レス) id: 4b63d1aa63 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - 三十四時間目の最後のセリフ、柊先生、新八じゃん!?と、思いました。(役者さんが) (2019年5月2日 15時) (レス) id: 95eea7aace (このIDを非表示/違反報告)
グミ(プロフ) - それはそれで面白そうですよねw (2019年4月21日 20時) (レス) id: 01f2b963c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒葉ri′(プロフ) - グミさん» もし、実写版でクロスオーバーとかしたら、「え、双子？ん？」ってなるやつっすねww (2019年4月21日 20時) (レス) id: 4b63d1aa63 (このIDを非表示/違反報告)
グミ(プロフ) - 黒葉ri′さん» ですよね！椎名桔平さん…菅田君もカルマの実写版ですよね。深い(゜ё゜) (2019年4月21日 20時) (レス) id: 01f2b963c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：グミ | 作成日時：2019年3月13日 21時
