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「今年の長期休暇は…そろそろ帰らないとかなあ…嫌だなあ、俺お堅い場は嫌いなんだよね。…知ってるって？あは、知られてたかぁ。これは参った」
「うーん…両親はまあ…厳しい人だよ。割と細かいこと気にするっていうか？神経質みたいな？あー…多分、悪い人ではない。…少なくとも、魔法使いにとっては」
「俺の家、魔力あり魔力なしの格差が酷い家でね。魔力が多ければ多いほど優れていて、特権は戦闘向きであればあるほど良い…みたいな。生まれ持ったものだけで今後の扱いが全て決まるような血筋なんだ。…俺は魔力にも特権にも恵まれてたから、俺だけなら悪い環境ではなかったんだけれど。」
「……ひとつ下の、従兄弟がいてね。その子とは5歳とか、そこら辺までの年齡までは兄弟も同然に育ってきてさ。仲良かった…と思うんだ。。その子が、無特権無魔力って判明するまでは…凄く仲良しだった」
「…魔法が使えないって分かったら、周りの対応がすっかり変わってさ。俺にはにこにこして優しく慕ってくれる大人が、その子には物凄く冷たくするようになって…。両親も、その子とは関わるなって言うようになって。……なに、されてたんだろうね。その子、それから全く笑わなくなっちゃった」
「一度だけ、助けを求められたことがあって。……その時に手が取れれば、また何か違ったかもしれないけれど、俺は手が取れなかった。…あのとき、あの子に控えめに着物の裾を引かれたとき、俺が…手を、取れていたら…」
「……リコリス。リコリス・フローレス。俺の親戚で、兄弟も同然な子なんだ。見かけたり、関わる機会があったら仲良くしてあげてほしい。…悪い子じゃないんだ。それは俺が保証する。」
「ただ今戻りました。＿＿＿はい、お気遣いお痛み入ります。暫くの間顔を見せられなくて申し訳御座いません。お父様、お母様」
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