なまか発見伝2 (ページ12)

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第55話ページ12

幸side

『...やめ...て..........ん...あれ......』

ここ...どこだ？
家じゃない...
あぁ､連れ去られたんだっけ←

『はぁ...久しぶりの悪夢だった』

真っ暗闇の中一筋の光が見えた
そこに向かっていくら全力で走ってもいくら腕を伸ばそうと届かない闇に飲み込まれていくあの感じ...

『...嫌いだ』

春が嫌いだ

まだ肌寒い風が傷に障るから

夏が嫌いだ

綺麗な花火が背中に落ちてくるから

秋が嫌いだ

台風の中外に出されるから

冬が嫌いだ

寒いベランダに一人ぼっちだから

暴力をふるってきた両親も僕を見捨てた親戚も全部嫌いだ表面しか見ないヒーローも見て見ぬふりする大人も他と違うと陰口を言う同い歳の子供たちもみんな...

『嫌い』

僕が好きなのは祖父母と先生と黒霧と...あと

『...弔........今どこ....会いたい...よ...』

ダメだな病気の時はとことん弱っちゃう
まだ頭ぼーっとするな
でもさっきより良いかな？
風邪の時はぶっ倒れるから個性で治せないしな...
ここまで酷くなったのは久しぶりだなぁ～なんて
今なら脱出分くらいなら体力使えそうだし

『お礼言って帰ろかな...』ｺﾞﾎｯ