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セレナーデ -gn- ページ20

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つい先日まで夏のように暑かったのに、最近はめちゃくちゃ寒い。
そろそろマフラーや手袋もクローゼットの中から引っ張り出してこないとなぁと思う。

そして今年の冬こそ彼氏を作ってクリスマスにイルミネーションを見に行きたいのだが、もう1ヶ月程しかなく絶望している。
こんなにも男しかいない学校で彼氏が出来ない理由ってなんなんだろう。
私はそんなに事故物件だとも思えないのだが。
まあ、仕方がないからと、恋人がいない同盟の言を誘ってみようと、講義の終わりに声をかける。

「言さん言さん。」

「何ですか、Aさん。」

「今年のクリスマスは暇だったりします?」

「ええ、それはもちろん暇ですが。」

私が言のことをさん付けで呼んだせいで、何故か意味のわからない敬語で話が進む。
暇ですが、の語尾には怒りマークが付きそうな雰囲気を醸し出している言。
良かった、安定に彼女いないな、こいつ。

「よっしゃ、言ったな。予定空けとけよ。」

「え、何、俺とデートしたかったの?」

「何ニヤニヤしてんの、キモいよ。」

せっかくの良い顔が台無しだ、と言うと調子に乗るだろうから、キモいと一蹴しておく。
まあ、私は問くんの方が可愛い顔してるので好みなのだが、問くんは生憎彼女が居るので寝取るなどということはしない。

「言、この後もう授業ないよね。せっかくだから一緒に帰ろう。」

「A、俺のこと大好きじゃん。」

「うるせぇなぁ。」

友達以上恋人未満くらいのムーブを交わしつつ、学校を出る。
もう日が短く、外は結構暗い。
そして心做しか辺りに恋人が多い気がする。

「寒いねぇ」

そしてものすごく寒い。
上着は着ているものの、指先が冷たい。
カイロくらい持ってくれば良かったなぁと、後悔してももう遅いのだが。

「はい」

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作者名:ヱ崎 | 作成日時:2022年11月1日 16時

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