休息【QK】 (ページ6)

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-fkr×kwmr- ページ6

⚠︎︎死ネタ

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いつものように家でゆっくりしていると、スマホの着信音が鳴った。
河村だ。
恋人からの珍しい電話に少し嬉しくなった。

「もしもーし」

そう言って出たが、向こうからは雑音しか聞こえない。
外にいるのか間違い電話なのか。
俺はもう一度｢もしもし｣と言った。

「福良…」

彼は普段よりも落ちた声で俺の名前を呼ぶ。
この時何故か嫌なことが起きる気がした。
その不安はすぐに的中することとなる。

「僕もう死のうと思う」

突然のことに驚いて声が出ない。
止めないといけないのに。
俺は河村無しじゃ生きていけないのに。

「ごめんね福良」

機械越しでも声が震えているのがわかる。
向こうで1人で泣いているのだろうか。
どうしよう、河村の元に行かないと…！

「河村、今どこ？」

「福良の家のマンションの屋上」

そこに彼はいる。
俺は部屋着のまま家を飛び出した。
運良くエレベーターを捕まえることができたため、すぐ屋上へと向かうことができた。

「河村っ！」

屋上のドアを思いっきり開けて叫んだ。
星なんて全然見えない都会の空の下、彼はフェンスに足を掛けていた。

「待って河村！」

やっと声が届いたのか、フェンスの向こう側に立ってから俺の方を向いた。
俺は彼の元へと急いで向かい、その前に立つ。
そのとき初めて気づく。
彼はあまりにも落ち着いていた。
そんな彼は俺を見てこう言った。

「泣かないでよ、飛び降りずらくなっちゃうじゃん」

いつの間にか俺は泣いていたらしい。
本当なら俺が河村を慰めないといけないのに。
少しの間頭を撫でられていた。
その時間があまりにも心地良くて、現実を見たくなくなる。

「じゃあ、僕そろそろ行くね」

涙が落ち着いたと思ったらそんなことを言われる。
待ってよ、置いていかないでよ、1人にしないでよ。
そんな我儘な言葉しか思いつかない。
何か止める方法は…？

「福良、またね」

フェンスから手を離そうとする彼の胸元を思い切り掴み、こちらに寄せる。
そして俺は河村にキスをした。

「置いていかないで…」

「ごめん」

そう言うと彼は飛んだ。
その時間はあまりに長く感じられた。
この高さじゃ助からないだろう。
走馬灯のように彼との思い出が蘇る。
俺はその場に泣き崩れた。
そのとき何処かから河村の声が聞こえた様な気がした。
｢大好きだよ｣と。

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