休息【QK】 (ページ19)

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「僕は福良のことが好き。それを伝えてしまったら、嫌われる、今まで通りにいかなくなる、そう思ってずっと言えなかった。でも福良が心から離れなくて、苦しくて。責任取ってよなんて物語みたいな台詞言えないけど、福良が好きだから、隣に居たいから。福良も僕のことを好きになってくれるのが1番だけど、無理なことは分かってる。じゃあせめて今まで通り居させて、嫌いにならないで」

心が叫ぶまま、そのまま福良に伝える。
どう思われるかは分からないけど、きっとこれで僕たちの関係はお終いだ。
目に涙が溜まる。泣いちゃだめ、弱い奴だと思われる。

「河村、ごめん」

その一言が全てを物語る。
僕は2度目の失恋をした。
しばらくは、顔上げられないや。

「俺は女の子が好きだし、河村をこれから恋愛感情で見ろって言われても難しいと思う。でも、河村と離れて過ごして気づいた。大切な友達がいないとこんなにも寂しいんだって。今まで辛くて苦しい思いさせてたのも、気まずくさせて距離置いてたのもごめん。河村が良ければ仲直りさせて欲しいです」

福良の声が柔らかい。いつものあの大好きな声。
今なら顔を上げられる。
そこにあったのは大好きな存在。どうしようもなく愛おしい彼。

でもその気持ちも忘れないと。
忘れて吹っ切れて、そしたらまた戻れる。
本当に何も無かった頃に戻れる。
僕は福良の言葉に頷いた。

「良かった、じゃあこれからまたよろしくね」

その言葉が何より嬉しくて、弱いところを見せるものかと我慢していた涙がポロッと落ちる。
あれ、何泣いてるんだろう。
嬉しいのに。泣きたい訳じゃないのに。

「もー河村泣かないでよ」

涙を拭く僕と、笑ってくれている福良。
温かい空気が戻ってきた。

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数日後。

「福良さんと河村さんの距離戻ったね」
「あの1週間は何だったんだろう」
「倦怠期かな」
「そんな訳ないでしょ」

また根も葉もない馬鹿な噂が流れてくる。
もう気にしない。
何より今が幸せだから。

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