休息【QK】 (ページ11)

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微笑んで僕の頭を撫でる福良。
そんなことをされ、不意にきゅんとしてしまった。
相手は同い年の男なのに。

「ここに居ても辛いでしょ。帰ろうか、家まで送るよ」

僕は頷き、福良の後をついて行った。
福良は僕のことを気遣ってくれて、家までの道中、ずっと他愛のない話をしてくれた。

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家に着くなり僕はアフターピルを探した。
普段は抑制剤のみで避妊薬は飲んでいない。
性交する相手がいないからっていう理由でだが、こんなことが起きるなら普段から飲んでいればよかった。

「河村？どうしたの？」

福良は棚をガサガサと漁る姿を見てか、後ろから声をかけてきた。
焦っている僕を心配してくれているのだろう。

「ちょっと探しもの」

平然と答えた僕だが、焦っている理由は早く避妊をしなければならないことだけではなく、もう1つある。
実は帰り道からずっと体調が悪いのだ。
薬と抱かれた効果がもう切れてきているらしく、段々と身体が熱くなってきている。
こうなると不味い、薬を見つけるか、福良を帰さないと。

「ふくら、ぼくはだいじょぶだから、もうかえっていいよ」

結局抑制剤は切れていて、少量の避妊薬だけ見つかった。
ただ、その避妊薬にはヒートを抑制する作用は無く、僕は福良を帰すことにした。

「大丈夫？薬は？」

僕のフェロモンに充てられているのだろう、福良も辛そうな顔をしている。
そんな状況でも、僕を心配して薬を探そうとしている福良はどこまで優しいのだろう。

僕は首を横に振って、薬は無いことを伝えた。
すると福良は｢買ってくる｣と言ってくれたのだが、またここに戻ってきた頃には、フェロモンは更に強くなっているだろう。それに薬は直ぐには効かない。
そんな中でフェロモンに充てがわれた、福良がどうなってしまうかなんて目に見えていた。
だから僕は断った。そして、福良を早くここから出そうとした。

しかし、時すでに遅し。
Ωは、αの優秀な子孫を残すの為に生まれてきたようなものだ。
だから本能的にαが欲しくなってしまう。
福良はαだった。
襲われるより先に、僕は自ら懇願した。

「ふくらっ、だいてっ…」

「…何言ってるの？」

「いいからっ…」

困った表情をする福良に、僕は重い足を動かして抱きついた。
より近くでフェロモンを感じて貰えば、抱いてくれる、そう思ったから。
すると、案の定福良は雄の顔をした。

「後悔しても知らないから」

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