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「一応終わってますけど…！でも…！」
ずっとぶつぶつ言ってる私に天馬が一言。
「大丈夫、なんとかなるよ！ほら、ルナライトだってあるだろ？」
両肩をガッチリ掴まれ、真っ直ぐに見つめてくる天馬。え、この体勢恥ずかしい…天馬天然過ぎるんだよ！なんだよ可愛いな！
真っ赤になって天馬の手をバッと振り解く。本人は今更気づいたようで赤くなっていたが、もうそんなの無視！私は心を決めた。こうなったら、死ぬ気でやってやる！
ーーー
「天馬君が赤くなるなんて、珍しいね〜」
「うるさいよ狩屋！いいだろ！」
ーーー
「雷門は後半からメンバーチェンジだ！速水、浜野にかわって、イタリアから急遽帰国した錦龍馬、そして初出場の綾森Aを投入してきた！どのようなプレーをするのか、楽しみです！」
私名前呼ばれてる…本当にどうなっちゃうんだろ…とりあえず、今はダブルウィングの完成に集中するしかない！
頬をパンパンッと叩いて気合を入れた後、視線を白恋側のボールに移す。
ピーッ！
「試合開始直後、倉間がボールを奪ったー！」
開始早々倉間先輩がボールを奪い、すぐにキャプテンにパス。そのままダブルウィングの体勢に入る。
「必殺タクティクス！」
「ダブルウィング！」
天馬の代わりとして錦先輩が入ったダブルウィング。しかし、その威力は先程と特に変わった様子はない。これでは…
「必殺タクティクス！絶対障壁！」
「うわぁっ！」
ピーッ！
ボールはラインを割り、試合は止まる。
「だ、大丈夫ですかっ！」
すぐに錦先輩のところに駆け寄る。にしても、何故タクティクスは失敗したのだろう。錦先輩の能力なら完成させられる筈じゃ…
「あちゃー、やっぱりFWじゃ勝手が違うぜよ…」
倒れている先輩に手を差し出し、そのまま立つのを手伝う。すると豪快な声で勝手が違う、とこぼす錦先輩。え、FWじゃないの！？
「錦先輩は、FWじゃないんですか…？」
と恐る恐る疑問を口にする。すると錦先輩は笑って、
「実はのぅ、わしゃ向こうでMFに転向したんじゃ。」
とあっけらかんとして笑う錦先輩。転向って…
「「えぇー！？」」
いつの間に集まってきていたのか、全員が叫び声を上げる。さて、これは大変なことになった…錦先輩でもダメとなると、一体誰がこのポジションを担えるのか…
俊足と決定力…２つの力のことを考えながら雷門イレブンを全員見渡していく。どちらの能力にも当てはまる…そんな人は。
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作者名：鏡華 | 作成日時：2020年2月12日 16時
