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ガタン…ガタン…
あの後私達は、スタジアムに向かう電車に乗り込んだ。が、電車内は沈黙に包まれており、聞こえるのは電車が走行する音のみ。しかも、ガラス一枚へだてた向こう側には、これから試合をする白恋中のメンバーが向かい合わせに座っている。
「なんでこんな席にしたんだか…」
こんなに気まずい試合前の移動があるだろうか。いいやない。絶対ない。
ロシアンルーレット式にスタジアムを決めるなんて、そんなのでいいんだろうか。どうせフィフスセクターの設定通りのところに行くのだろうが。
白恋中のメンバーの刺すような視線を感じつつ、今日の試合について考えてみる。
白恋中の絶対障壁はかなり強力なタクティクス。雷門の�爛▲襯謄�メットサンダー�瓩�通用しない、と分かっているのだからそんなことはすぐに分かる。
問題は、先程完成した新タクティクス、�爛瀬屮襯Ε�ング�瓩�通用するかどうかだ。
確かにタクティクスは完成したが、雷門のメンバーは絶対障壁を見たことがある訳ではない。もし、絶対障壁の威力が今のダブルウィングを上回っているとしたら…その時は、試合中にタクティクスを進化させなければいけないことになる。まぁ、今考えても仕方のないことではあるが。
キキーッ！
音を立て、電車が止まる。目に映るのは、どこもかしこも氷に覆われているスタジアム。え…何これ。
すぐに更衣室に移動し、着替えて入場口の前に集合。寒い。何か嫌な予感が…
ガタンッ！
入場口が開き始める。…ドアから冷気漏れてるよ？
「寒い…」
「エアコンの設定、間違ってませんか…？」
「そんなレベルじゃねーだろ！」
マネージャーさん達の言う通り、こんなの尋常じゃない。相変わらずドアからは冷気が漏れ出してくる。
「えぇ！？なんなのここ！？」
私の前の天馬が驚きの声を上げる。彼の視線の先にはスタジアムが。私も背伸びをして、スタジアムを覗いてみる。
「な、なにこれ！？」
フィールド、外壁、共に凍っているスタジアムがそこにはあった。無茶苦茶だ。ここでサッカーしろとか非常識にも程がある。
「これが今日のフィールド…！」
キャプテンが声を漏らす。その横では、白恋中のキャプテンが笑いを零していた。どんなスタジアムなのか聞いていることは明らかだ。
「さぁ、今日の雷門対白恋の試合！試合会場は、スノーランドスタジアムだ！」
実況さんの声が響く。
「どう攻略すればいいの…？」
冷風に黒髪を揺らしながら、彼女は考え始めた。
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作者名：鏡華 | 作成日時：2020年2月12日 16時
