ぼくらの知らないこと ページ40
.
HC
マクヒョンはテオのことをAヒョンに似ているのだとよく言っている。
とにかく一度言い出すと何度も口に出さないと気が済まない人なので、俺たちにとどまらず本人にまでも言っているくらいだ。
テオもテオで「へぇそうなの」くらいのニュアンスでしか受け止めてないからマクヒョンが何回も説明をしてしまうんだろう。
だから俺は今日この瞬間、目の前で繰り広げられた会話に耳を疑った。
『似てないよ。全然似てない』
MK「あ、え？」
いつものように謎の熱量で語り出したイマクにピシャリと否定の言葉を放ったのだ。
ほら見てよ。
驚いたマクヒョンの間抜けな表情ったら、シズニのみんなには絶対に見せちゃいけないんだから。
HC「どうしたのテオ、めずらしいじゃん」
『え？なにが？』
HC「なにがって、そんな風に否定するの」
『いや別に、否定したわけじゃないよ』
口調はいつも通り至って穏やかなのがかえってマクヒョンの焦りを増大させている。
ちなみに本人にその気は全くない。と、思う。
加入発表から3日、マネヒョンや上層部のお達しの元、SNSは全てシャットアウトされてテオの目に入ることはない。
まぁそれでも耳から流れてくる情報はそれなりにあるんだろうけどね。
一緒に練習をしていた公開日と、全体練習に集まった今日、
マクヒョンも俺も共にすごしていなかった間の一日に彼女に何かがあったのは明確だ。
『わたしはあんなに凄い人じゃないもん』
HC「そう？俺にとったらテオも十分凄い人だけど」
『そんなこと言っても何もあげないよ？』
HC「別にいらないよ。飲み物はもちろんマクヒョンに買ってもらうし」
MK「や、なんでオレが！」
あ、やっと戻ってきた。
MK「もしかして、怒った？」
『え？ドンヒョク怒ってるの？』
MK「違うよㅎㅎなんでオレがこいつの機嫌を気にするんだよ」
HC「いや少しは気にしてよ」
確かに一歩下がって後ろを歩いてくれるような控えめな所とか、角を作らない物腰が柔らかい感じとか、似ている部分はあると俺も思う。
だけど同じ色であることは一時も無くて、テオはテオだしAヒョンはAヒョンだもん。
マクヒョンは不器用だからそういうのを全部省略して言っちゃうけど、テオが責任を感じるようなことは本当にひとつもないのだ。
おかしいな。
早くこの子を助けてあげたいのに、どうして俺はその方法を知らないんだろう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナカム(プロフ) - あさん» ほんとですか！ジャニさん意外とキーパーソンなんです^^ (2022年6月19日 20時) (
レス) id: fffa1dcefe (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - hanaさん» ドヨンさんのプロアイドルな感じ大好きなんです！笑 (2022年6月19日 20時) (レス) id: fffa1dcefe (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 読み進めるたびにジャニさんに惚れてしまう、、 (2022年6月18日 10時) (レス) @page19 id: d6ffc1910c (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - わあああ。テオちゃんのお話感慨深い上にルムメのドヨンからの言葉はとても響く…テオちゃん頑張れ！ (2022年6月18日 3時) (レス) @page31 id: 0d997ffe25 (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - ゆさん» 前作からありがとうございます！！ぜひ期待してください、、、笑 (2022年6月6日 23時) (レス) id: fffa1dcefe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナカム
| 作成日時：2022年5月5日 22時
