. ページ36
.
TL
あと少し時計の針が回れば、テオの存在が世間に発表される。
ファンのみんなからすれば、NCTに突然やってきた嵐のような存在なのかもしれないけど、
テオからしてみれば、突如放り込まれた場所にいた俺たちの方がよっぽど彼女の気象を乱しているに違いない。
きっとこの子はソロでも売れたと思うし、NCTで生きていく道を選ばずとも今後幾らでもグループでデビューする機会は与えられたはず。
それでもこの場所でデビューを決めた彼女の覚悟と心情は、薄っぺらい表現で申し訳ないけど立派だと思う。
TL「緊張してる？」
『それは、もちろん。でもマークには気付かれてないし、案外大丈夫そうです』
TL「あはは、それなら大丈夫だ」
俺の発言の軽さに思わず「本当に大丈夫なんでしょうか、？」と首を傾げる彼女がおかしくておもわず笑ってしまう。
TL「どっちにしろ、夢が叶う瞬間はキラキラしてる方がいいでしょ」
『あぁその件なんですけど、』
TL「その件？」
『違うんです。わたし、アイドルになりたくてここに来たわけじゃないから』
TL「へぇそうなんだ」
『へぇってオッパ、全然びっくりしてない』
何となくそんな気がしてた、と言ってしまうのはこの子に失礼な気がして言葉を探す。
だってテオはスカウトでここに引っ張られてきてるし、練習生の期間も短い。
だからって訳じゃないけど、デビューに縋るような思いというか 理想のアイドル像みたいなのが見えない子だと思ってからまぁ俺からしたら特に驚くような事実でもなかった。
TL「そんな人もいるかなって」
『そんな人、』
TL「でもスカウトされてそのままホイホイ着いてきちゃったわけじゃないでしょ」
『あれ？.....もしかしたらわたし、ホイホイ着いてきちゃったのかも知れません』
TL「わぁ、恐ろしい子だね。もうすぐデビューするみたいだけど大丈夫？」
『酷い！大丈夫ってオッパがさっき言ったのに！』
多分この子は気づいてないんだろう。
俺たちに見劣りしないようにと1人研究してるのだって、俺やヘチャンが長続きしない筋トレを頑張ってるのだって、今やネイティブとほとんど変わらない韓国語だって、一生懸命アイドルになるために君が努力してきたことなのに。
大丈夫だよ。
きっと素敵なアイドルになれる。
TL「テオにはアイドルが良く似合うよ」
君はもうすっかりこの都市に馴染んでるじゃないか。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナカム(プロフ) - あさん» ほんとですか！ジャニさん意外とキーパーソンなんです^^ (2022年6月19日 20時) (
レス) id: fffa1dcefe (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - hanaさん» ドヨンさんのプロアイドルな感じ大好きなんです！笑 (2022年6月19日 20時) (レス) id: fffa1dcefe (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 読み進めるたびにジャニさんに惚れてしまう、、 (2022年6月18日 10時) (レス) @page19 id: d6ffc1910c (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - わあああ。テオちゃんのお話感慨深い上にルムメのドヨンからの言葉はとても響く…テオちゃん頑張れ！ (2022年6月18日 3時) (レス) @page31 id: 0d997ffe25 (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - ゆさん» 前作からありがとうございます！！ぜひ期待してください、、、笑 (2022年6月6日 23時) (レス) id: fffa1dcefe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナカム
| 作成日時：2022年5月5日 22時
