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「彼氏でも無いのにそんな頻繁に連絡する..？？」と、わたしがさっきから何を言ってもこの答えに辿り着いてしまうユウタ。
どうやらこの子は男女の友情は成立しない派の人間らしい。
そもそもの出会いまで辿れば、"男女"の友情ではなくわたしとジェヒョンは"男"の友情を成立させていたのでその点に関してはちょっと違うというか。
それにメンバーだったし。
「納得できない？」
「うん。全然全くできないね」
「だって友だちだったらAはジェイに対して1ミリも恋愛感情持ってないってことだよ？
ほぼ毎日写真送るような相手になんとも思ってないことなんてない」
まぁよくもそんなつらつらと綺麗に指先が動くもんだ。
ていうかジェイじゃないってば。
お言葉の通りなんとも思ってない、わけじゃない。
むしろ考え好きなくらい彼のことでいっぱいになってしまった時期もある。
「だって、わたしたち썸だから」
「そ？...それ何語？」
「あぁごめん(笑)韓国語だ」
友だち以上、恋人未満
日本語に当てはめるのならばこの表現が一番近い。
いつか終わってしまうかもしれない、そんな可能性が1%でも残る関係性になるくらいなら썸のままがいい。
そうじゃなくても、わたしとジェヒョンは"Best friend"の枠を越えるべきではない。
「なんでそれは、恋人に発展しないわけ？」
「なんでってだから、ジェヒョンは」
「ジェヒョンは？」
"アイドルだから"
言葉として音になったか、それとも言わなかったのか、わたしの耳には届かない。
わたしと、ジェヒョンが、썸でいなきゃいけない理由。
自分ではっきりと答えを出して、それが本当の答えを隠すためのダミーだと気づいた。
違うじゃん。
アイドルだって人間だし、恋愛もする。
自分がアイドルだった時は、そうやって線を引かれることに嫌悪感を抱いていたじゃないか。
ジェヒョンがアイドルだから恋人になるのを諦めた、？
違う。
わたしが男の子だった過去があるから、恋人という枠組みに入ることが許されなかった、？
ううん。それも違う。
「A？」
「....こわいの」
「え？」
わたしたちの関係に名前をつけて、もし彼に嫌われるようなことがあって、
これまでの2人の時間が0になるのが怖い。
「大好きだから、怖い」
愛してるから、あの人をわたしは絶対に失いたくない。
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作者名：ナカム
| 作成日時：2024年1月28日 20時
