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WN
Aが、俺たちを見て泣いている。
あそこにいるよってジェヒョンが教えてくれて、今日はその方向をよく見ているんだけどさっきから明らかに様子がおかしいのだ。
両手で顔を覆って俯くAとケータイの画面で何かを見せながら背中をさすってあげているショウタロウ。
あの座席付近のファンの子達はこちらのステージではなく、Aに意識がいっているようだ。
TN「ウィンウィン？次お前だよ」
WN「え？あぁ...すみません。皆さんのこと見ていたら感動しちゃって」
TN「きゃ〜どこで覚えてきたの〜！！」
テンヒョンに肘で突かれて自分のコメントの順番が回ってきたことに気づいて用意してきた言葉を言った。
その一瞬、俺があの子から目を話した隙にAの姿はもう客席には見えなくなっていた。
WN「えっ、」
マイクに拾われないほどの小さい声が出て、隣に立っていたクン哥がチラリとこちらに視線を向けた。
Aはよく笑う子だ。
つまらない冗談にも些細なギャグにもケラケラと子どものように笑ってくれる。
あんな風に泣いている姿を見たのはあの会議室以来かもしれない。
丸い瞳に雫を溜めて、ごめんなさいってNCTに背を向けたあの日。
ショウタロウの姿も一緒に見えなくなったので、落ち着くまで一旦2人で別の場所に移動したのかもしれない。
どうして君の涙を一番近くで拭ってやれるのが俺じゃないんだろう。
今この瞬間ばっかりは、ステージ上から動けない自分を酷く憎んだ。
KN「ウィンウィンダメだよ。みんなが見てるんだから笑って」
WN「..うん」
よっぽど暗い顔をしていたようだ。
口角をキュッと上げて、Aがいた場所から視線を外した。
どうしたんだろう。
あの子に何があったんだろう。
それでもすぐに頭の中はAのことでいっぱいになってしまって、抑え込めない気持ちがマイクを通して出ていきそうだ。
ジェヒョンと違って、俺には手話が分からないから君が音を紡いでくれないと理解できない。
オレの言葉も100%で君に伝えるのは難しい。
でもそんなことより、
客席とステージ、観客とアイドル。
オレたちの間にある飛び越えられない壁が、何よりも一番もどかしいけど。
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ネネ(プロフ) - 更新嬉しいです(;_;)♡このお話が本当に大好きです！！ありがとうございます (1月21日 6時) (
レス) @page44 id: c4bc3d15e5 (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - 塩さん» コメントありがとうございます！涙が止まらないなんて、そんなことを言っていただけて光栄すぎます。。。 (1月21日 1時) (レス) id: a627fc4932 (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - Hyemiさん» コメントありがとうございます。亀更新でめちゃくちゃ申し訳ないです！！！ご期待に添えられるようがんばります！ (1月21日 1時) (レス) @page44 id: a627fc4932 (このIDを非表示/違反報告)
塩(プロフ) - 1話から一気に読みました。凄く素敵な話して涙が止まりません。この先の更新楽しみにしています。て (1月18日 22時) (レス) id: ef344ed631 (このIDを非表示/違反報告)
Hyemi(プロフ) - 最初から一気見してたら感情移入しすぎて泣いて枕が大変なことになりました…。更新待ってます。 (1月18日 11時) (レス) id: 705f4d2668 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナカム
| 作成日時：2023年8月20日 19時
