やまちねでガチャガチャ屋（短編集） (ページ20)

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#… ページ20

山田side

俺の手のひらには自分の第二ボタン

ずーっと片思いだった2年の知念に渡したくて、強烈な女子達から守った ←

だけど、渡しに行こうとしたら、知念は有岡の第二ボタンを貰っていた

なんだ…
もう貰ってんじゃん

俺ってモテるけど、残念なモテ方

俺が好きになった子は必ず違うやつを好きになる

小さい頃からそうだった

このボタンに俺の知念に対する思いを全部ぶつけて
校舎の裏にある池に捨てに行こうかな

・

・

──── さよなら

池にボタンを投げようとした時だった

知念side

ar「なぁ、やっぱり気持ち伝えに行った方がいいんじゃないのか？」

cn「いいもん…もう思い残すことは無いもん…………たぶん。」

ar「後悔するのは自分だぞ」

cn「だってぇ………」

ar「当たって砕けろだ！」

cn「そうだけどぉ……」

ar「さぁ、おゆき！お嬢ちゃん！」

cn「バカじゃないの。それに、お嬢ちゃんって…………はぁ、もう分かった。行くよ。」

ar「頑張れよ！！！振られたら慰めてやるからな！」

cn「声でかい！」

大ちゃんってほんとバカ

でも、そのバカさに今までどれだけ助けられただろうか

・

学校中を探し回ってもあの人はいなかった

でも、ひとつだけ探してない場所がある

校舎の裏にある池だ

涼介先輩がいつも唯一ひとりで居た場所だ

もしかしたらと思い、全速力で池に向かった

居た

cn「あの…涼介先輩！」

彼は振り向いた

どうしよう…
何にも考えずに話しかけちゃった

cn「あ、えっと、あのぉ………好きですっ！」

言っちゃった

ym「え？」

cn「先輩の事が好きです！」

「好き」が溢れて止まらない

ym「あのさぁ…」

振られる

でもいいんだそれで

逃げちゃダメだ

ym「手出して……」

言われた通り手を出した

手のひらに違和感があった

ひんやりとしてるけど、どこか暖かいものを今、僕は握っている

ym「俺も好きだよ。受け取ってくれるかな。」

僕の手にはボタンが

ym「俺の第二ボタン。ずっと渡したかった。」

予想と違う展開に頭が付いていけない

cn「てっきり振られるかと…////」

ym「振るわけないじゃん。大好きなんだから。」