【twst】ただ推しのSSRが当たっただけなのに！！！ 4

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A
「友達…なんかじゃ…ないよ」



そっと呟きながら、オンボロ寮へと帰る。

友達なんて、お互いに利用し合う関係でしょ。
お互いを満たすために都合良く扱う。

少しでも都合が悪くなると、
当たり前のように離れていくんだし。

そうならないために、
上辺だけの"都合の良い人"を演じるんだよ。

それが友達なんでしょ。
だから、エースと私はそんな関係じゃない。

推しとファン、ただそれだけの関係だよ。


そう思っていると、カサっと紙の音が耳に届く。私はチェリーパイが入った紙袋を横目で見る。


そういえば、友達とケンカした時、相手の都合の良い人になって仲直りしたなぁ。

自分の気持ちを押し抑えてたっけ。
すぐに謝ったり、こうやって相手の好物かっ…たり……



A
「そっか、私、エースのこと……」



気づいてしまった。



A
「いつの間にか、友達だと思ってたんだな……」



気づきたくなかった。

でも、この手に持っているチェリーパイが証拠になって突きつける。

私はこの世界でも、相手の顔色を伺って空気読んで自分を抑えていくんだろう。

結局、私は変われないんだな。
気づかなければ良かった。



A
「友達になんて、なりたくなかったよ」



ずっと、推しのままで見ていたかった。
そしたら、これからもずっと無邪気に笑えてたはずだったのに。



？
「そこで何してるんだ？」



顔を上げると、エメラルド色に光った瞳が私を見ていた。

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