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1限目、植物学。
へぇーこういう授業もあるんだ。
魔法薬学は調合で、その調合する薬草を知るのが植物学なんだ。へぇー。
エース
「ね、教えてやろうか?」
左隣に座っているエースが声をかけてきた。
私はペンを持っている手を止めて、彼に顔を傾ける。
A
「大丈夫やで! ありがとね、気持ちだけ受け取っとくわ」
私はオブラートに包んで断る。
ここで受け入れたら『こいつ、考える気あんの?』って思われそうで怖い。
エース
「本当に大丈夫なの? だってお前って字読め___」
咄嗟に左手でエースの口を塞ぐ。
手の平から口の感触が伝わり、慌てて手を離した。
A
「あっごめん! 言われると恥ずかしいからさ、秘密にして欲しい。ごめんよ」
エース
「あ〜。分かった」
エースは察したかのような返事をした。
善意で教えようとしてるのに断ったら、嫌な気持ちにさせるよね…。
A
「今んとこ本当に大丈夫だから、分からないところあったら聞くね」
私はそう言って、再びペンを走らせた。
2限目、飛行術。
グリム
「ふっなぁぁぁぁああ!!! 全く浮かないんだゾ!!!」
ついにグリムが叫んだ。
何十分も箒にまたがっているというのに、1ミリたりとも浮く気配がない。
A
「ちょっと、箒から降りてみるよ」
私は箒から離れて、グリム1匹だけ残す。
すると、先程まで全く動かなかった箒が70cmぐらいまで浮いてきた。
グリム
「やった! やっと飛べたんだゾ!」
A
「お! おめでとうぅ!!!」
我が子が初めて、1人で自転車に乗れた時のような暖かい気持ちになる。
子を見る親の気持ちってきっとこんな気持ちなんだろう。
微笑ましい。
頬が緩み、感情のままに拍手した。
A
「本っ当にっ、おめでとう!!!」
これでもかと拍手した。
だが、この幸福感を打ち消すようにグリムが言う、
グリム
「まさか子分が重くて飛べなかったなんて思わなかったんだゾ」
余計な一言を言われた。
言いたい事をグッと飲み込み「あはは…」と苦笑い。
その時「うぎゃ!」と目の前のグリムが悲鳴を上げた。
箒が一瞬、左右にものすごく揺れたのだ。
あと少しで落ちそうになったグリムは、体勢を直し、箒とのバランスを保つ。
グリム
「急に強い風が吹いてきて焦ったんだゾ…空気読んで欲しいんだゾ」
グリムがため息混じりに愚痴ると、再び箒が勢いよく揺れた。
私はそんな目の前の光景に違和感を抱く。
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リミ - 私も多分ツイステの世界に行ったら発狂すると思います!面白かったです!応援してます (7月13日 18時) (レス) @page27 id: aba199bd02 (このIDを非表示/違反報告)
猫田 - 最高です!(語彙力無くてすみません)応援してます!! (2021年9月19日 11時) (レス) id: 7820b61858 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ(プロフ) - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2021年7月8日 23時) (レス) id: 4f60a72d2e (このIDを非表示/違反報告)
アルト(プロフ) - え、好きです()裏話って言いますか...ゲームにはない話が沢山あって読んでて楽しかったです!整理お疲れ様です、更新楽しみにしてます! (2021年6月7日 0時) (レス) id: a93e709eaf (このIDを非表示/違反報告)
ダブルブェ(プロフ) - あーんこさん» あーんこさん、ありがとうございます!返事遅くなりすみません。そう言って頂けて凄く嬉しいです!整理し終わったので後は書くだけです!頑張ります! (2021年4月7日 20時) (レス) id: fbab1bff8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ダブルブェ | 作成日時:2021年3月11日 3時