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先生は私から視線を外し、若干、顔を上げて考え込む。
クルーウェル
「…確かに真面目で模範的な生徒だが、もう少し賢ければなぁ」
ん? なんか話ズレてる気がするんだが。
A
「あ、あの先生。その、自分で言うのもあれなんですけど、私のこと…特別視してるような…気がしますが…」
今度は明確にして質問をする。
自分で言ってて恥ずかしくなり、中途半端に言葉が途切れる。
推しに好かれている前提で話すとか、どんだけ自惚れているのか。
もし違っていたら、穴の中に入りたい。
クルーウェル
「魔法が使えないからといって、特別甘く見ていない」
そういう意味じゃなぁーい! ちがーう! そうじゃ、そうじゃなーい! わざと!? わざとなのか!?
"特別"という単語を出したはずなのに全く見当違いの返事をされ、つい内心ツッコミを入れてしまう。
A
「そうじゃなくて。トレイ先輩から色々と聞いたんですけど、先生って私にしか撫でてこないですよね? このままだと勘違いしますよ」
言うと、先生は「あぁ、そういうことか」と相槌を打った。
やっと私の言いたい事が伝わったらしい。
クルーウェル
「それはすまないな。はっきり言うとお前をそういう目で見ていない」
容赦なく否定された。
いつもの真顔で目には一切も動揺がない。
表情からして本当になんとも思っていないと伝わってくる。
理解した途端、モヤッとした感じが胸に広がり、先生から視線を外した。
A
「…あ、そうなんですね。先生の顔は国宝級なんですから自覚持ってください 」
自分の口に手のひらをくっ付けて「人の気も知らないで…」と、もごもごさせて呟く。
クルーウェル
「はぁ…。全て話すからもう勘違いするな」
ため息混じりから始まる話に、私はそっぽ向きながら耳を傾ける。
クルーウェル
「似てるんだよ」
A
「似てる…犬に? ですか」
まさかの人として見られてないのか。
クルーウェル
「違う」
違うのか。
良かった、人だったわ。
しかし、安心するのはまだ早かった。
次の言葉で私は絶句した。
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リミ - 私も多分ツイステの世界に行ったら発狂すると思います!面白かったです!応援してます (7月13日 18時) (レス) @page27 id: aba199bd02 (このIDを非表示/違反報告)
猫田 - 最高です!(語彙力無くてすみません)応援してます!! (2021年9月19日 11時) (レス) id: 7820b61858 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ(プロフ) - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2021年7月8日 23時) (レス) id: 4f60a72d2e (このIDを非表示/違反報告)
アルト(プロフ) - え、好きです()裏話って言いますか...ゲームにはない話が沢山あって読んでて楽しかったです!整理お疲れ様です、更新楽しみにしてます! (2021年6月7日 0時) (レス) id: a93e709eaf (このIDを非表示/違反報告)
ダブルブェ(プロフ) - あーんこさん» あーんこさん、ありがとうございます!返事遅くなりすみません。そう言って頂けて凄く嬉しいです!整理し終わったので後は書くだけです!頑張ります! (2021年4月7日 20時) (レス) id: fbab1bff8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ダブルブェ | 作成日時:2021年3月11日 3時