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エース
「あっぶねぇーな、気おつけろよ」
私はエースに見下ろされた状態で言われた。
今まさに、肩ドンされていた。
A
「ご、ごめん」
エースは私から手を離す。
その後、揺れに気を付けながら、向かい側の椅子に座った。
お、ぉぉぉぉ推しに肩ドンされた!!
え? え? え? 待って、どういう事!?
観覧車の中で肩ドンってどういう確率で起きるん!?
この観覧車揺れすぎだろ!!!
私の頭の中はパニックになっていた。
グリム
「2人とも何にやってんるだゾ」
グリムは呆れたように言う。
エース
「仕方ないだろ、こんなに揺れるとは思わなかったんだし」
グリム
「自業自得なんだゾ」
エースを見ていたら、ふいに目が合った。
私は咄嗟に目を逸らす。
エース
「A、強く肩押しちゃったけど大丈夫?」
A
「だ、大丈夫です。色々とありがとうございます」
エース
「なんで急に敬語?」
グリム
「お前ら、外見てみろ!」
グリムに言われ、外を見る。
目の前には、綺麗な夕焼け空が広がっていた。
紫とオレンジの色をした空が映っている。
紫には星が見え、オレンジには夕日が沈もうとしている。
雲は1つもかかっていない。
今日1日いい天気なんだなと分かる。
少し、遠くの方で見慣れた建物が見えた。
A
「あ! NRCが見える!」
グリム
「本当なんだゾ!」
エース
「どれどれ…」
エースが背後から近づいてくる。
すると、ゴンドラがグラッと傾いた。
視界の隅に何かが映る。
チラッと視線を動かすと、エースの手が置いてあった。
エース
「この観覧車、すっげぇー傾くじゃん」
これは…すぐ後ろにエースがいる状況だね…
うん、これ、振り向いたら死ぬやつ
私は背後からの近距離にドキドキする。
エース
「綺麗だなぁ…」
A
「そ、そうだね…」
夕焼けを見つめていると、観覧車は徐々に下がっていった。
目の前の綺麗な景色が見えなくなったと同時に、エースは再び席に戻る。
傾いていたゴンドラが平行になっていくのを感じた。
しばらくして、私達が乗っているゴンドラは元の位置に着いた。
エースとグリムが先に降りる。
私も降りると、わすがな重さで傾くゴンドラのせいで体勢が崩れた。
そんな私の手を、エースが取る。
エース
「気おつけろってさっき言ったばっかじゃん」
A
「あ、ありがとう…」
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ダブルブェ(プロフ) - こうめさん» こうめさん、ありがとうございます! 頑張ります! (2021年2月14日 14時) (レス) id: fbab1bff8c (このIDを非表示/違反報告)
こうめ - 続きを全裸待機 (2021年2月13日 23時) (レス) id: ed55d3266f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ダブルブェ | 作成日時:2020年12月17日 21時