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迷いのない一連の動作にヒーローは感心し、ワープゲートから現れてから今この骨を折る瞬間まで、全くの無表情のままの少女の狂気に戦慄した。
折った腕はすぐに光り出し、もとに戻る。
それを把握しているAは間を入れず拳を握り、ヒーローに襲いかかった。
イレイザーヘッドの個性は「抹消」。
その名の通り、視た者の個性を消すものであり、それを使っていたのだから少女の「回復」が発動するはずはなかったのだ。
容赦なく顔面を狙ったそれをいなし、弾かれてがら空きになった胴へ肘鉄を繰り出す。
Aは無理に身体をねじり回避するが、その隙をヒーローが見逃すはずもなく追撃。
(避けられない)
強引な回避により更なる回避は不可能、衝撃に備えて腕でガードするくらいしか選択肢はない。
しかしAはその選択をしない。
回避行動がとれないなら、迎撃していまえばいい。
攻撃は最大の防御であるのだから。
自分はその手段を持ち得ているのだから。
迫り来る回し蹴りをぎりぎりまで引き付けてから仕込んでいたナイフで己の首を突き刺した。
「なっ！」
噴き出す血飛沫がヒーローに降りかかり、回復するとはいえ少女のあまりの暴挙に動揺してしまったヒーロー。
それは大きな隙となり、そして至近距離で
「くそ！」
噴き出した血はそのまま、深い創傷は跡形もなく戻る。
完全にヒーローの視界を奪ったAは直ぐ様体勢を立て直すとそのままナイフで刺しにかかる。
(どういう原理か知らんが厄介だな……！)
顔をしかめて内心盛大に舌打ちしながら、長年の経験で相手の攻撃を察知し回避しようと後ろへ跳ぶ。
しかしそこには死柄木が待ち構えていた。
「ああ、ようこそ……！」
突然、背後から主犯と思しき男の嗤い声がすると同時に肘を掴まれ、少女に誘導されたと気付き、今度こそ舌打ちする。
握り潰さんばかりに掴まれた肘がぼろぼろと崩れ始める。
目が眩んでいてなにも見えない以上、個性は封じられたと同義だ。
ヒーローが捕縛武器を男に打ちすえるが、手を離した死柄木は危なげもなく跳びすさる。
「はは、無理するなよイレイザーヘッド。見てたが君の個性は長期戦には向いてなさそうじゃないか。目が眩んでるなら更に不利だ……、だからさあ」
実に愉快だというように粘着質に語る死柄木は、イレイザーヘッドを仕留めようとしていたAを待機させ、
「楽になれ」
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詞葉(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！ 何分遅筆なものでお待たせすると思いますが、是非よろしくお願いします。 (2020年3月12日 12時) (
レス) id: dc1dd40e5c (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - とても面白いです…！更新楽しみにしてます！ (2020年3月11日 1時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
詞葉(プロフ) - 桜猫さん» コメントありがとうございます。ちょっと迷走しつつあるので気長にお待ちいただければと思います。いただいたコメントでモチベ上げて頑張りますね！ (2019年9月2日 23時) (レス) id: df44a89d14 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 夢主ちゃんの今後が気になりますな… (2019年9月2日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
詞葉(プロフ) - ルーさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！ 仕事の合間にぽちぽちするのでゆっくりになりますが、ハピエン厨なのでそうしたいと思っています。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 703ce966a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詞葉 | 作成日時：2017年10月7日 13時
