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(めんどくせぇって顔してる！！！！)
駆けつけた相澤に慌てた様子がなく、「さて、どうしたもんかな」とでも言いそうな表情に生徒は困惑する。
Aはそれをただ平淡に瞳に移すのみだ。
先に痺れを切らしたのは当然、子供の方だった。
「先生ぇ！ あいつこの間のヴィランだろぉ！？ なんで何もしないんですかあ！！」
「そ、そうだよ！ 仲間、他にも居るんじゃ！！」
「でもこいつそんな素振りないぜ！？」
「えらく無抵抗だな。爆豪やりすぎたんじゃねぇ？」
「警戒は怠るべきではありませんわ！ 先生、指示を！！」
「──ま、待って！！」
返答を挟む余地のない程に各々が勝手に話す場を制したのは、どこか遠慮がちな、けれどはっきり意思を持ったそんな声だった。
全員が一斉に声の方を向き、誰かが「緑谷」と言った。
全員の注目を一斉に浴びた少年は一瞬臆するものの、その手に持っている物を皆に見せるようにして口を開く。
「この、ペンケース、僕らの物じゃないんだ。僕たちはさっきまでヒーロー基礎学で、誰も筆記用具を持ってなかったから。相澤先生が来る前に拾ったから、相澤先生のでもない」
伏し目がちに、おどおどと話していた少年は、意を決したように顔を上げ一人を見据える。
「かっちゃん、この人がこれを持っているのを見なかった？」
吊られて全員が今度は名指しされた子供を見る。
名指しされたツンツン頭の子供は立ち上がり、なんとも言い難い渋面をしていた。
それを見た少年は確信する。
「前に見たときはボロボロの格好だったのに今は綺麗な服を着て、雄英の敷地内でペンケースを持って歩いてたってことは、」
「……そうだ。お前たちに言ってなかったがこいつは雄英の保護下にある。保護する以上、最低限の教育を受ける権利を尊重して個別学習してる」
相澤は言葉を引き継ぐと簡潔に説明する。そして自然な動作でAを引き起こすと巻かれたテープをベリベリと剥がしだした。
それにつれ、相澤は血に濡れた部分を見咎めた。
「爆豪。こいつに
問われた子供は顔を更にしかめた。その問いから推察できる事に気がついたのだ。
Aは他者に害成す一切を禁じられていること。
Aは一度は応戦しかけたものの言い付けを守った。つまり無抵抗だったこと。
「……なんも」
「そうか」
子供が吐き捨てるように出した言葉に淡白に返すと、相澤は子供たちに教室へ戻るよう指示を出した。
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詞葉(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！ 何分遅筆なものでお待たせすると思いますが、是非よろしくお願いします。 (2020年3月12日 12時) (
レス) id: dc1dd40e5c (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - とても面白いです…！更新楽しみにしてます！ (2020年3月11日 1時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
詞葉(プロフ) - 桜猫さん» コメントありがとうございます。ちょっと迷走しつつあるので気長にお待ちいただければと思います。いただいたコメントでモチベ上げて頑張りますね！ (2019年9月2日 23時) (レス) id: df44a89d14 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 夢主ちゃんの今後が気になりますな… (2019年9月2日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
詞葉(プロフ) - ルーさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！ 仕事の合間にぽちぽちするのでゆっくりになりますが、ハピエン厨なのでそうしたいと思っています。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 703ce966a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詞葉 | 作成日時：2017年10月7日 13時
