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「っ、かっちゃん！！ ──かっちゃん！？」
脳無の拳はオールマイトのそれみたいに暴風吹き荒れるもので、攻撃対象の幼馴染みを案じたけど気付けばすぐ隣にかっちゃんが居て、あれを避けたのかと感心したら素早い否定と罵倒をくらった。
いつも通りに罵声を浴びせるくらいには元気なのを確認できたからかっちゃんは問題ない。
けど、あの子は……！？
ゴガァァン！！
コンクリートが激しく砕ける音がして反射的に水難ゾーンを見ると、彼女がゆっくりと力なく水に落ちていくところだった。
「良いのですか死柄木弔！ 実験結果では彼女は泳げず、水は死亡確率が高いと」
解放されたクロギリがシガラキの隣に転移して、少しばかり焦ったようにそう言うけれど、
「うるさい……ごみを棄てただけだ。そんなことよりオールマイト！ あいつ子供をかばったぜ」
シガラキが狂気的な目差しをオールマイトに向ける。
シガラキは彼女のことなんてもう本当に気にしていないんだ。
でも今あいつ、確かに泳げないって、死ぬって言った！
「お、おい緑谷！？」
僕は駆け出す、水難ゾーンへ向かって。
「ごめん切島くん！！ 話はあとで！」
事情も何も知らないけど、死ぬかもしれない人が居る。
その理由もわからないけど、あの子は確かに怯えてた。
なら！
僕は！！
オールマイトごめんなさい！ 僕だけは貴方のピンチを知っているのに！
峰田くん蛙吹さんと協力して倒したヴィランの団子はみんな気絶しているから無視できる。
僕は迷いなく水に飛び込んだ。
彼女は高い位置から落ちたからその勢いで深く沈んでいる。
その仄暗い水の中で蛍のように幻想的に光っている様に、僕は場違いにも一瞬見惚れてしまった。
しかし、その光が少しずつ弱くなっていくので、直ぐ様思考を現実に引き戻すと彼女を引き寄せて浮上する。
もがく様子が見られなかったからもしかして、と思っていたけど気を失っていて抵抗しなかった。
「っぶはぁわ！？」
顔を出した途端に吹き荒れるオールマイトと脳無の拳圧に驚く。
鬼気迫る猛烈なラッシュ、「平和の象徴」たるに相応しいその姿に僕は目が離せなくなった。
だから気付かなかった。
「ヴィランよ、こんな言葉を知ってるか！？ ──プルスウルトラ！！」
渾身の一撃が脳無の巨体を吹っ飛ばす。それは轟音と共にUSJの天井を突き破っていった。
ヘドロヴィランを吹っ飛ばしたときのような感動が沸き上がる。
彼女は光を水中の手のひらに集めていた。
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詞葉(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！ 何分遅筆なものでお待たせすると思いますが、是非よろしくお願いします。 (2020年3月12日 12時) (
レス) id: dc1dd40e5c (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - とても面白いです…！更新楽しみにしてます！ (2020年3月11日 1時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
詞葉(プロフ) - 桜猫さん» コメントありがとうございます。ちょっと迷走しつつあるので気長にお待ちいただければと思います。いただいたコメントでモチベ上げて頑張りますね！ (2019年9月2日 23時) (レス) id: df44a89d14 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 夢主ちゃんの今後が気になりますな… (2019年9月2日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
詞葉(プロフ) - ルーさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！ 仕事の合間にぽちぽちするのでゆっくりになりますが、ハピエン厨なのでそうしたいと思っています。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 703ce966a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詞葉 | 作成日時：2017年10月7日 13時
