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「ハァーー……、黒霧、お前がワープゲートじゃなかったら粉々にしてるとこだよ……」
苛立ちに任せて激しく己の首を掻く死柄木の様子に、心臓の鼓動がまた少し早まる。
「流石にプロヒーローが何十人も相手になるなら敵わない……ゲームオーバーだ」
早まる心臓が停まる。
ゲームオーバー？ オールマイトはいない、けど、これで終わりって、
「帰ろっか」
ぽつり、と、事も無げに呟いた死柄木は、まるで小さな子供がやりかけのゲームに突然飽きて放り出してしまう様によく似ていた。
事実その通りなのだろう。
そして「コイン貯まるしミニゲームくらいはやっとくか」程度のついでで実行されたのは
死柄木はAたちから程近い水場に居た子供三人の内の真ん中の少女を、素早く、かつ静かに、明確な殺意を以て鷲掴みにしたのだ。
あ、あの子、死んだ。
とっくの昔に血の赤色しか認識しなくなっていたAの視界で、それはいやに色付いて見えた。
全体的に緑で統一された服の、艶のある長髪の女の子。
ほら、すぐ、掴まれたその顔から、崩れ、ない？
「……ほんっと、かっこいいなあ、
こちらに背を向けたまま、とことん思い通りにいかない展開に皮肉を漏らす死柄木。
見れば、死に体のはずのヒーローが鬼の形相で死柄木を睨み付けている。子供を殺されないために力をふり絞って個性を使っているのだ。
脳無がヒーローの頭を力任せに押し付けたので、死んだのか、虫の息だが気絶しただけなのか。今度こそ動かなくなった。
そして施設の扉が吹き飛ばされる。
それは瞬く間のことだったので、三人の内の少年が拳を奮うも脳無が盾になったりしたのだが、それらと扉が吹っ飛んだのはほぼ同時。
そこに立っていたのは、怒りの感情が剥き出しの、スーツを着た筋骨隆々の大男。
写真を見せられたことがある。その写真では男はアメリカンに笑っていたが。
それと一緒に、わたしの存在はこの男を殺すためだけにあるのだと。繰り返し、繰り返し、拷問まがいの人体実験の中で、
「──オール、マイト……」
この男を殺せと命じられた。
「あーー……、コンティニューだ」
装着されている手で見えないが、死柄木が今までと違って静かに笑みを浮かべたのが分かった。
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詞葉(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！ 何分遅筆なものでお待たせすると思いますが、是非よろしくお願いします。 (2020年3月12日 12時) (
レス) id: dc1dd40e5c (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - とても面白いです…！更新楽しみにしてます！ (2020年3月11日 1時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
詞葉(プロフ) - 桜猫さん» コメントありがとうございます。ちょっと迷走しつつあるので気長にお待ちいただければと思います。いただいたコメントでモチベ上げて頑張りますね！ (2019年9月2日 23時) (レス) id: df44a89d14 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 夢主ちゃんの今後が気になりますな… (2019年9月2日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
詞葉(プロフ) - ルーさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！ 仕事の合間にぽちぽちするのでゆっくりになりますが、ハピエン厨なのでそうしたいと思っています。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 703ce966a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詞葉 | 作成日時：2017年10月7日 13時
