リトル・ヒアー III (ページ28)

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フォー・マイダーリンページ28

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｢ねえ颯太、おねがい…！ほんとにおねがい…！！｣

颯太｢おねがいって言われてもおー…わく知らないんでしょ？

言った方がいいと思うけどなあおれ、、。｣

｢だって…それじゃあ意味ないんだもん、、｣

颯太｢あー！！分かった内緒！するから！｣

こんなつもりじゃなかったもん…私だって。

颯太はおろか、わくにだって知らせるつもりは無かったのに。

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もう少しで誕生日のわくに、どうしてもプレゼントをあげたくて。

いつもありがとうって、その言葉だけじゃ伝わりきらないから
本当にどうしても、何かわくに渡したかったの。

でもそんなの、やっぱりお小遣いじゃ足りなくて
お兄ちゃんにお願いして借りようかと思ったけど、それもなんか違う気がして

｢お母さん、わたしバイトしたい｣

『…え？！』

こんなこと、今まで言い出したことが無かったから
意を決してそう言った途端、驚いたお母さんの目が大きく見開かれた。

『んー…。』

｢ねえお願い、お母さんのサインがないと学校にバイト許可証出せないの…。｣

『なにか欲しいものでもあるの？お小遣いじゃ足りないの？』

｢…足りないの。

プレゼント、買いたくて。｣

『バイトねえ…。』

いつもとは別すぎて、今日は引き下がれない。

渋るお母さんを目の前に
何としてでも説得しなくちゃ、！って人生で初めての全力のお願い。

『場所は？もう決まってるの？』

｢まだ、だけど…？｣

『決まってないなら、お母さんの友達のところは？どう？』

｢…え、！｣

『初めてのバイトでよく分からないところじゃ不安だし…。帰りが遅くならないお店ならいいんじゃない？』

｢ほんとに、、いいの？｣

『バイト探してるって言ってたのよ。
まずは相談してみてからだけど。』

｢お母さんありがとう…！！｣

もしかしたらお母さんは、＂プレゼント＂という言葉と、今年も近づいているその時期を見越して察してくれたのかもしれない。

そんなこんなで始めることになったバイト。

お母さんの友達はいい人で、わたしでも心配なく出来るようにってお客さんとはあまり喋らない位置の業務内容にしてくれて。

少しずつ仕事を覚えながら、お店に立つ日を増やしていった。

もちろんわくたちには内緒、で。

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