119dB ページ19
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Waku side
小さい頃、接着剤でもついてんのかって親たちに言われてたくらい
よく繋いでいた3人の手のひらなんて
知らないうちに広く大きくなっていくのに比例して、自然と離れていって。
そのうちにぶつかるようになって、ケンカなんかもしたりして
お互いに口聞かなかったり泣かせたりもしたけど
それでもずっと、変わることはなかったこの関係に
今日のひとコマが
少し寂しいような、踏み出せて嬉しいような
なんだか複雑な気持ち。
｢そーた、｣
颯太 ｢んー？｣
｢あんがとな。｣
颯太 ｢いーえーー｣
このふわふわした返事、ほんとに意味わかってしてんのか？って
こいつに対して考えてたらキリがないのなんてずっと前から知ってる。
ずっと一緒に、変わらず颯太のままであいつのこと大切にしてきたことも
俺らの背中を押してくれたことも
そうやって、幸せを願ってくれることも。
全部全部、ありがとうって。
本当は5文字じゃ伝えきれないけど、その代わり
これからは今まで以上に俺が全力であいつのこと守るし、大切にするし
なんかあったらお前の背中も押すし。
そんで俺だって誰よりも、お前に幸せになってほしいし。
だから、これからもずっと相棒でいてくれよなって
のんきに隣を歩くでっかい背中に、昔より広くなった手のひらで 念を送っといた。
颯太 ｢いっっった！！なにすんの！！！｣
｢うっせえその写真消せ！！携帯割るぞ！｣
颯太 ｢こっわ、やっぱAのことわくに預けらんないおれ｣
｢もうおせーっつーの(笑)｣
颯太 ｢うわうざあその顔ー！！｣
こんな気持ち、なかなか口には出せないけど
きっと伝わってるって
なんだかこいつにはそんな気がしてならないから、
まあ多分 そうなんだろう。
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年8月31日 21時
