リトル・ヒアー III (ページ7)

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颯太｢ねえ、おれら賞状貰えるんだってー！！｣

｢え、そうなの？｣

3人の休憩場所だったはずのそこは、いつの間にかみんなのたまり場になっていて

やっぱり居心地いいんだよね、ここ。って

川島先生にちょぴっとだけ遅いってわくと怒られて、でもすぐにお疲れさま、がんばったねって褒めてくれて
やっぱり褒めてくれる人がいるのは嬉しいなあ、なんて1人で思ったり。

皇輝｢そう、団体だけなんだけどね。

各競技3位以内に入ったら賞状くれるって生徒会から説明あったよ。｣

深田｢へー！意外とやさしいっすね生徒会のみなさん｣

檜山｢お前生徒会のことなんだと思ってんの(笑)｣

みんな笑っている姿に
気づけばわたしもつられて笑顔になっていたけど

そうだ、言わなきゃって。

｢あの、｣

安嶋｢？どうした？Aちゃん、｣

見上げた先のわくは、少し笑って頷いて、まるでがんばれ、って言ってくれてるみたいで。

今度はみんなを見ながら

いつもは結んでいるだけの自分の口を、そっと開いた。

｢あのね、みんなにありがとうって言いたくて

一緒に10人11脚させてくれてありがとう、全然力にはなれなかったけどね、みんなのおかげで今までで1番きらきらしてて…

わたし、楽しかった｣

いつまで経っても、上手く自分の気持ちを言うことは苦手だけど

わたしの言葉で伝えたかったことは、これだから。

｢だから、ありがとう、！｣

湧｢ふっ、何回言うんだよおめーは(笑)｣

ちゃんと伝わってっから。って頭をがしがし撫でてくれる大きな手がちょっとだけ照れくさくて、誰よりもあったかい。

深田｢お礼言うのはこっちすっよ！Aちゃんいなかったらうっちーくん練習してないんですから！！｣

颯太｢は？？ふかきょんが変な事言うからじゃん！｣

安嶋｢もう落ち着いてよ(笑)こちらこそ、変な作戦に付き合ってくれてありがとうね？｣

黒田｢あー！！おれが今言おうとしたのに！！｣

織山｢ねえちょっとくらい静かにできないの？？｣

皇輝｢…みんな言いたいことは一緒だよ。

Aちゃん、こちらこそ一緒に走ってくれてありがとう｣

目線を合わせながら目の前にしゃがんで、そう言った皇輝くん。

嬉しくて、また『ありがとう』って返しそうになったけど
やっぱり言いすぎかな、なんて思って

その五文字を精一杯の笑顔に変えて、笑ってみせた

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