89dB ページ39
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一瞬だった。
急にふらっと目の前から居なくなったAを目で探せば、
｢…A？｣
須田の席の、横へと歩いてた
停学だったあいつは、昨日からそれが解除されて
機嫌が悪そうにずっと顔を顰めてるし、あんなことがあったからかみんな近づかなくて
須田は1人で縮こまりながら座ってた。
｢須田さんも、｣
須田｢…え、｣
｢須田さんにも、やってあげてほしい、です｣
いつもより少しだけ張ったAの声は
ちゃんとみんなの耳に届いて
唇をかみ締めながら言うその姿を、その場にいた全員が驚いた顔で見つめた。
須田 ｢は、なんでよ…っ！
もう関わりたくなんかないんでしょほんとは…やめてよそういうの、！｣
勢いよく立ち上がった自分より背の高い須田にも後ずさらない。
きっとどうしても伝えたいことがあるんだ。
真っ直ぐに逸らさず須田を見つめるAの目が、そう言ってる。
前なら引き止めてたけど、もうそんなことしない
今日はここで、見守ってるから。
だから、がんばれ。A
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A｢…確かにわたし、悲しかった。苦しかったよ。
けど、須田さんが仲良くなりたいって声かけに来てくれたとき、嬉しかったの。｣
須田 ｢あれは、！｣
A｢、須田さんにとって
たとえあれが本心じゃなかったと しても。
だから、その、｣
心の中の気持ちを、もう一度言葉に紡ぎ直して
A｢嬉しかったことは、私も誰かに返してあげたい
それに…須田さんだってクラスメイトだもん、みんなでがんばりたい。｣
須田 ｢…っ、ほんと、なんなのよ、っ、お人好し！｣
A｢ちがうよ、(笑)｣
須田 ｢ありが、とう、っ…｣
この時分かった
須田は不機嫌に顔を顰めていたんじゃなくて、ずっと
ずっと泣きそうなのを堪えてただけなんだって
自分であんなことをした傍ら、孤独で素直になれなくて
今にも自分の中の黒い気持ちに押しつぶされそうなだけだったんだって。
色んな人の雰囲気や表情をたくさん見てきたAは、きっとそれに気づいてたんだ
女子の輪の中へ入れてもらった須田を見て、嬉しそうに にこにこしながら戻ってくるから
A｢わ、！｣
俺、お前のそういうとこめっちゃすき
言葉の代わりに、思いっきりAの頭を
わしゃわしゃ撫でてやった。
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スイ.(プロフ) - MMさん» ありがとうございます ！嬉しいです^ ^ 更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします〜！ (2021年3月29日 17時) (
レス) id: e6a739559e (このIDを非表示/違反報告)
MM - 面白かったです続編楽しみにしてます (2021年3月26日 20時) (レス) id: f4898dbd5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年2月15日 16時
