36dB ページ36
.
自分の部屋に入るだけだってのに、こんなに緊張したことは無い。
だって意味がわかんないもん、なんで俺のベッドでAが寝てんの？！
あーもー、こんなんじゃ埒が明かない
ぐしゃぐしゃと頭の後ろを掻きむしって、なるようになれ！って勢いよく扉を開けた
バンッ！と鳴った扉は綺麗に開ききって
部屋の右側には
やっぱり俺のベッドですやすや眠るAがいた。
今の音でも起きないんだもん、どんな体制か予想はつく。
壁とは反対側に顔を向けて眠るAの目の前にしゃがめば、閉じた目から真っ直ぐに伸びてる透明な線
｢…泣いたの、？お前、｣
気づいたら
その白いほっぺたに手を当てて、なぞった涙の跡
もう1人で泣かせたりなんかしない
1人で苦しんだりさせない
すやすや眠る小さい頃と変わらないその寝顔がめちゃくちゃ愛しくなって、思わず口角が緩んだ
A｢んん、｣
｢あ、ごめん、起こした？｣
寝返りを打ってゆっくり瞼を開けたAの顔を、ずいっと覗きこめば
へ、なんて声を漏らして、布団を頭まで引き上げた
｢大丈夫なの？お前｣
A｢う、ん｣
話しながら布団をちょこっと下げて、Aの首元に手を当てたら
うるうるした目がこっちを見上げた。
うんじゃねえじゃん、全然熱いじゃん。
もう乾いてカピカピの冷えピタも役割を成してないし。
｢病院でなんて言われたの｣
A｢…すとれすから来る、熱だよって｣
いつもよりふわふわしたその喋り方に感じるばぶみ。
赤ちゃんみてえって笑いたいとこだけど、病人にそれは可哀想だからやめとこう。
A｢わく、｣
｢ん？｣
A｢きー、ほるだー、無くしちゃってごめんね、っ、？｣
｢んなもん、何回無くしたっていくらでも買ってやるよ｣
それにさ、
そう言いながらポケットの中にあるチェーンを掴んで目の前に出したそれに、見開いたAの目。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 723人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「少年忍者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スイ.(プロフ) - Suzuka573さん» そう言っていただけて嬉しいです(；；)自分で体験できていないので実際と違うこと多々あると思いますが、がんばりますので更新待っていてください！^ ^ (2020年10月26日 21時) (
レス) id: e6a739559e (このIDを非表示/違反報告)
Suzuka573(プロフ) - 私も主人公さんと同じで右耳が聞こえないのでとっても感情移入しやすいです！更新お願いします〜！！ (2020年10月26日 8時) (レス) id: d37d3ec597 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スイ. | 作成日時：2020年10月25日 16時
