314の時計ーRyousuke.Yー 4

192話ーRyousukeー ページ44

｢さっきはごめんなさい。逃げちゃって。
きちんと謝りたくて…それだけです。｣









え、怒ってたんじゃないの？









涼介｢え、怒ってたんじゃ…｣









｢え、怒る…？｣









ぽかんとしてる俺と中川さん。









お互い、変な顔してて。









思わず、顔を見合わせて笑っちゃった。









中川さんも爆笑してて。









｢あははっ、山田さんその顔…っ…ぷ。あははっ、｣









人の顔をなんだと思ってるんですか。笑









涼介｢いやいや、そっちこそ。笑
中川さんって面白いですよね。笑｣









｢ええ〜？そーですか？笑｣









余程面白いのかまだ、笑ってる。









涼介｢えーそーでしょーっ笑｣









よく考えてみればこの人が初めてかも。









俺の顔とか“芸能人”と言う肩書きとか目当てじゃなく、素の俺を見てくれる人。









｢山田さん、怪我が悪化しますよー？｣









ニコニコと笑う、中川さん。









涼介｢はーい。安静にしてますよー。｣









｢ふふ、ちゃんと安静にしててくださいねー？｣









そう言って病室から出ていく彼女。









部屋には微かに中川さんが香りが残っていた。

193話ーYouー→←191話ーRyousukeー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す