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Aちゃんの顔を 俺のほうに向かせると
潤んだ目で 見上げる視線
.
やばい
こんなときですら、‘可愛い’って感情が出てきて
最低じゃん 俺。
もっと触れたい気持ちを押さえて
Aちゃんの頬を軽くつまむ
顕「笑って?」
静かな教室に響く 自分の声
Aちゃんは俺を見上げたまま 眉ひとつ動かさない
顕「…………じゃあ、
俺にキスされるのと
笑うの、どっちがいい?」
.
そう言えば、Aちゃんの目が少し驚いたように開く。
頬は 心なしか紅くなっている気がした
「……笑います」
小さく呟かれた言葉
.
予想外だった。
突き放されて、即答で‘笑う’って言われると思ってたから
顕「…ひど」
Aちゃんの 頬を少し強く引っ張って
笑って見せる
「いひゃい」
そういって君は、柔らかく微笑んだ
その笑顔に 作ってる感じはしなかった
__ちゃんと笑顔みたの初めてかも。
顕「帰ろっか」
時計は4時10分
「うんっ」
カバンをもった君が 俺の隣に走ってきた。
.
+ 駅 +
「顕嵐くんも、電車なんだ」
顕「うん。次の次の電車」
「そっか。
私のは…… あ、これだ」
案外はやく 到着してしまった電車
引き留める理由も権利も
いまの俺には持ち合わせてなくて。
電車に乗り込む君を、ただ見送るだけ
「顕嵐くん
今日は、ありがとね」
いつになく 素直なAちゃん
顕「…おう」
「なんか いつもの顕嵐くんじゃなかったから
変な感じした」
顕「え? それどうゆう意味?」
そのとき発車のチャイムがホームに鳴り響く
「ドキッとしたって 意味!」
そういって 悪戯っぽく微笑む君。
その瞬間 完全にしまるドア
Aちゃんを乗せた電車が ゆっくりと動き出す。
顕「言い逃げは、ズルいだろ…」
.
本気で 好きになっちゃったかも。
√ 動
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ななせ.。(プロフ) - キッシー担さん» こんな昔の作品なのに読んでいただきありがとうございます(;-;) (2017年4月15日 10時) (レス) id: 097d04f818 (このIDを非表示/違反報告)
キッシー担 - この話面白いです!作者さんすごいですね(^^)これからも続き読み進めていきます!この小説は私の毎日の楽しみです! (2017年4月8日 13時) (レス) id: 0ba50beb41 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 岸くんオチがいいです! (2016年2月16日 19時) (レス) id: 5998906dee (このIDを非表示/違反報告)
しょりよし(プロフ) - 岸くんオチがいいです! (2016年2月15日 22時) (レス) id: f8325c8068 (このIDを非表示/違反報告)
中村Büükä(プロフ) - 面白いですね( ´ ▽ ` ) 顕嵐くん落ちがいいです!!! (2016年2月15日 13時) (レス) id: 2bde8d362e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななせ.。 x他1人 | 作成日時:2016年2月2日 19時