√通過電車

23 J.yuta ページ23

「で、なんでだとおもう？」








神「まずなんでお前がここにいんの？」


家に帰ると、俺の部屋でちゃっかりくつろいでいたA









「チョコわたしにきたのー」



‘で、どーおもう！’って机から身を乗り出す









神「えーっと、岸がなんで彼女と別れたか。って？」









「そそそ」









神「それはー……」






好きな人できたからだろ、って言いそうになるのをおさえて









神「いや、わかんねー

本人にきけよ(笑)」









「えーー」









神「でも、お前的にはラッキーなんじゃねーの？」



俺の言葉に ピクリと反応するA









「え？ いや それは、さ……」

否定も肯定もしない返事









中学のころからずっと、Aは岸が好きなんだろうなってこと 薄々感じてた。









「最近さー、自分の気持ちがごちゃごちゃ」



そういって 苦い表情をする









神「悩むのも恋愛だよ


俺はずっとAのこと応援してるから


……だから、そんな顔するな！」









Aの頭に軽くチョップすると、照れくさそうに笑う









「神宮寺と友達になれてよかった


私も神宮寺の恋愛、応援してるから！


好きな人できたら教えてね？」









‘じゃあ、お邪魔しました’


って、コートをきて立ち上がるA





6時をすぎた 町は暗くなっていて









神「送る」









「大丈夫だよ

私がか弱い乙女じゃないことくらい知ってるでしょ！」


って、俺の肩を叩く









机の上におかれた チョコが入った淡いピンクの袋









「じゃあ、またバイトで」









神「…おう！気を付けて帰れよ」









中学のころからずっと、友達止まり


昇格なしのバレンタイン









幼なじみでも ずっとAの近くにいれる岸が羨ましかった









神「バイト、かあ」









＿＿ずっと好きだった人。


Aの恋愛がうまくいきますよーに









これからも 友達の位置から応援してるから









√ 諦

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