√通過電車

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久しぶりの2人の帰り道




電車がくるまで 結構時間がある
ホームのベンチに腰掛ける









「あ、優太にも

ハッピーバレンタイン！」



優太用の 大きめの包みをわたす









優「サンキュー」

笑顔の優太につられて、自然と笑顔になる









優「今年は……本命あった？」









「本命？ んー、どうだろ」(笑)









その返事に 腑に落ちないような優太









優「なんかさ、うまく言えねーけど……」




優太はチョコの袋をみつめ、口をこもらせる









「ん？」









優「阿部にもチョコあげてたの







ちょっと、妬いた。」









「えっ？」








照れているのか、寒いのか

優太の耳は 赤くなっていて

予想外の言葉に、返事がわからない。









「優太、彼女いるじゃんっ」


動揺して 声が大きくなったのが自分でもわかった









優太が私の方を向く


真剣な目に見つめられ、少し緊張する









優「＿＿＿別れたよ」









「……！」









あの日と同じように、通過電車が通る









優太の口が動いて なにかいっているようだったが




雑音のなかで その言葉をハッキリ聞き取れなかった









諦めたはずなのに、








‘別れた’ その言葉をきいて









最低だけど









‘嬉しい’ そんな感情が胸のなかに残った。









√ 好きな人できたから。

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