√通過電車

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駅のホームにAちゃんと肩を並べて、電車を待つ






昼の授業は 二人でサボった

俺が強引に引き留めたんだけどね……苦笑









通過電車が通り その風がAちゃんの髪をなびかせる









「……通過電車、きらい」

小さく呟かされた言葉









Aちゃんの方をみると、なにか思い出しているような複雑な表情。









‘俺のこと好きになっていいからね’



はぐらかした 自分の言葉









本心なんだけどなー









「あ、そうだ

顕嵐くん 甘いものすき？」









顕「甘いもの？

あぁ、すきだよ」









「バレンタイン あげるね。

チョコ」









顕「あぁ、うん



……え！？ まじ！？」









いや、ちょ 待って





「うん お世話になってるし

義理ね！義理！」



そういって無邪気に笑う









顕「あ、ありがと」


義理でもなんでも 嬉しいもので









ちょうどAちゃんが乗るはずの電車がくる


この間のように 電車に乗り込むAちゃん









「まあ、義理以上本命以下 てきな」









発車のチャイム









愛しさが 溢れる

俺に好かれたって、Aちゃんにとったら迷惑なのかもしれない









だけど、









「え、顕嵐くん、？」




手を伸ばし Aちゃんをホームに引き寄せる







乗るはずの電車が進行方向にゆっくりと進みだす









顕「ごめんね、もう少しだけ

俺に時間ちょーだい？」









Aちゃんの頬があかくなって









「……うん」









て、頷く









.









今日は









気持ちが、止められない。









√ 自制心

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